今は亡き天才芸術家、Andy Warhol、が1968年に言った"In the future, everyone will be world-famous for 15 minutes."「いずれ必ず、誰にでも15分間だけは(一瞬かも知れないが)世界的に有名になれるときは来る」というのが元で、今に至っているちょっと面白い英語表現があります。

それが"fifteen minutes of fame"というもの。これは、有名人はともかくごく普通の一般人だって、ひょんなことから急に話題になったり、一夜で有名になったり、一気に人の注目を浴びるようになったりすることを言うものです。

今日本では「なでしこジャパン」のメンバーがサッカー女子ワールドカップで優勝、世界一に輝いたのを機に一気にヒートアップして、さらには国民栄誉賞。これはメンバーたちにとって正に"their fifteen minutes of fame"の真っ最中なのかも。

話題というものはとかく長続きせず、日本では「人の噂も七十五日」、英語では「nine days wonder(9日間の不思議=噂はせいぜい続いて9日ほど、それすら不思議)」というぐらいで、急に盛り上がりをみせたものや流行りものは、はかなく短い。そのことをAndy Warholは"fifteen minutes(15分)"で言い表したんでしょう。

つまりここでの"fifteen minutes"は決してきっちり「15分(間)」ではなく、数日であれ、2~3週間であれ、または一年以上であれ、長い人生の中での皆さんが一番輝く「ひととき」のことを言っているものだと思ってください。

人が話題に上る理由には「良いこと、名誉なこと、悪いこと、不名誉なこと、不運なこと、奇想天外なこと、ひょんなこと、予想だにしなかったこと」など様々あるでしょうがこの"fifteen minutes of fame"という表現はそのどれにも使えます。

たとえば、そんなチャンスを目の前にしている人へは:

This is your fifteen minutes of fame.
(今こそ君が輝くとき)

This is your fifteen minutes of fame, might as well enjoy it.
(今が君の人生のピークなんだから、せいぜい楽しむといいよ)

Grab your fifteen minutes of fame.
(君の人生の頂点をつかみ取れ)

そんなチャンスを逃してしまった人、逃しそうになっている人へは :

Looks like you've missed your fifteen minutes of fame.
(君は君が輝けるひとときを逃してしまったようだね)

Your fifteen minutes of fame is (almost) up.
(君の輝けるひとときはもう終わった(殆ど終わろうとしている))

また最近では"fifteen minutes of fame"は、ただ"fifteen minutes"だけで言い表したりもするので、上記の例も、

This is your fifteen minutes, might as well enjoy it.
Your fifteen minutes is (almost) up.

といった言い方でも同じ事が言えます。

今やインターネットの時代。YouTube, Twitter, Facebookなどオンラインのソーシャルネットワークサイトを上手く活用すれば、誰だって、あなただって一躍有名人に……。今どきのチャンスは「待つ」のではなく「取りに行く」ものになりつつあるようです。正に"Grab your chance, grab your own fifteen minutes of fame."という精神でみなさんも何か話題作りに挑戦してみたらいかがでしょう?

それとも皆さんの"fifteen minutes of fame"はもう既に訪れて、そして去ってしまった……??

追加情報:

悪いこと、不名誉なことで話題になったり有名になったりすることを最近では"fame"を"shame"に換えて"fifteen minutes of shame(15分間の恥)"とも言うので、こちらも覚えておいてください。

ではまた次回。

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