"English"とか"foolish"、"childlish"、"selfish"といった単語はもう皆さんにはお馴染みですよね。でもこれらの単語でその末尾に共通で見られる"-ish"って「本当はどんな意味?」、「何故そこについているの?」までは考えたことはないのでは……。

"-ish"は文法的に言えば「"suffix "接尾」と呼ばれていて、一見難しそうな印象を与えるかもしれません。でも分かりやすく言えば「~に属する、~的な、~のような、~っぽい、~がかった、~気味の、~じみた、やや~の、だいたい~、およそ~ぐらい、~の傾向がある」などといったニュアンスを単語に含みたいときに使われるものなんです。

一つ目の「~に属する」については、冒頭の"English"がそのいい例で:"English"と言えば、「イギリスに属する人々(the people of England)」か「イギリスに属する言語(the language of England)」、また"English food"のように使えば「イギリスに属する食べ物(the food of England)」といった感覚。

でもこの"-ish"が日常の会話において本当に便利なのはこれ以外、二つ目以降の「~的な」とか「~っぽい」「だいたい~」といったような意味で使われるとき。ちょっとした「曖昧さ、アバウト感」を演出したいなんてときにこそ、その神髄を発揮するんです。

たとえば 「(会うの)何時にする?」「そうだね、9時頃なんてどう?」といった会話をするとすると、

A:What time do you wanna meet?(何時に会いたい?=何時に会おうか?)
B:How about 9ish?/Let's make it 9ish.(9時頃なんてどう?/9時頃にしない)

といった感じ。そしてこう言っておけば、もしあなたが約束の時間に遅れて相手に、

A:You are late.(遅いじゃないか)

と文句を言われたとしても慌てること無かれ、

B:No, I'm not. It's still 9ish.(そんなことないよ。まだ9時頃(ちょっと過ぎた程度)じゃない)

または、

B:I didn't say 9 sharp. I said 9ish, remember?(わたし9時丁度とは言わなかった、9時頃って言ったよね、覚えてるでしょう?)

と切り返すことことで遅れても正当性を主張出来ちゃったり。

また他には、

A:How old do you think he is?(彼って何歳ぐらいだと思う?)
B:To me he looks 40ish.(わたしには40ぐらいに見える)

A:Does it look green to you?(それって緑に見える?)
B:It’s greenish, but not green.(緑っぽいけど、緑じゃないね)

A:Are you warm yet?(あなた未だ暖かくならない?)
B:I'm warmish.(ちょっとだけ、まだそこそこ)

A:Is he a snob?(彼って偉そう?、お高くとまってる?)
B:No, just acting ish.(ううーん、ただそれっぽくしてるだけ)

A:How do you like my suit?(わたしのスーツどう、好き?)
B:Hmm, ish(うーん、まーまーかな。)

A:Is that what you meant to say?(それがあなたの言いたかったこと?)
B:Yes, that's what I meant to say... ish.(そう、それがわたしの言いたかったこと…かな!?)

また、何かを評価する感じで眺めながらの「これって、っぽい?」「ん、っぽい」なら、

A:Ish?(っぽい?)
B:Definitely, ish.(かなり、っぽい)

ということでも会話は成立することだってあり。

英語に比べ日本語はとかく曖昧な言語だと言われがちですが、英語にだって曖昧な表現は沢山あります。今回紹介した"-ish"もその一つ。ちょっとだけアバウトなニュアンスを足すのには打って付け。是非お試しあれ……!!!

ではまた次回。

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