今回はちょっとしたことを意識するだけで、皆さんの話す英語がまるで魔法にでもかかったごとく一気にネイティブライクになってしまう、という"liaison(linking)"と称する話し(発音)のテクニックを紹介しましょう。
"liaison"とはフランス語で、その意味を辞書で引いて見ると :
Linguistics Pronunciation of the usually silent final consonant of a word when followed by a word beginning with a vowel, especially in French.
言語学. 母音音に繋がる無声音の子音の発音(発音法)、特にフランス語において。
といった複雑な解説になっていますが、つまるところは :
turn off(タァーン・オフ) → tur・noff(タァー・ンオフ(=ヌオフ))
lot of(ラット・オヴ) → lo・tof(ラッ・トゥオヴ)
let's eat(レッツ・イート) → le・'seat(レッ・ツィート)
good afternoon(グッド・アフタヌーン) → goo・dafternoon((グッ・ドアフタヌーン)
it's open(イッツ・オープン) → it・'sopen(イッ・ツオープン)
※カッコ内のカタカナはあくまで目安です
というように、余りハッキリと発音されない子音で終わる単語と母音で始まる単語が並ぶときは、それぞれを別々に発音するのではなく、一つ目の単語の最後の子音の音は次の単語の頭の母音の音と連結する(くっつける)感じで発音するといい、というのが"liaison(フランス語的発音 : リエゾォーン /英語的発音 : リィェズン)"と称されるものなんです。
ただし普段交わされる会話では、"liaison"は前述に見られるような「子音+母音」のコンビネーションだけにとどまらず「子音+子音」でも「母音+母音」でも同じように扱われているんです。
たとえば :
I would like to ~. は、
→ I・woul・dli・kto ~(アイ・ウッ・ドライ・クトゥー)
また、I wouldをI'dと短縮した場合は、
→ I・'dli・kto ~(アイ・ドライ・クトゥー)
What time is it? は
→ Wha・(t)ti・mi・sit?(ワッ・トタイ・ムイ・ズイット)
I have a cold. は
→ I ha・vea・cold(アイ・ハ・ヴア・コールド)、または、
→ I ha・veacold.(アイ・ハ・ヴアコールド)
I didn't find you. You found me. は
→ I didn・'tfin・dyou. You foun・dme.(アイ・ディドゥン・トファイン・ドユー(ジュー). ユー・ファウン・ドミー)
May I smoke?
→ M・ayI smoke?(メ・エイアイ・スモーク)
注)これは「母音+母音」の例で、連結された「エイ」の部分は殆ど発音されることなく「メイ・アイ」は「メアイ」に近くなります。
※こちらのカッコ内のカタカナもあくまで目安です
といった感じ。これが、ネイティブが話す英語の正体なんです。
そしてこうして見ていくと、この"liaison"、何か一つ法則めいたことを感じませんか?
その法則とは : 『英語では文章内の単語の多くは、語尾の部分は次にくる単語の頭とくっつけることでより英語らしくなる!!!』。言い換えればその癖さえ押さえれば、皆さんの話す英語もまたネイティブライクになり得るってこと!?
「ネイティブの話す英語は聞き取りにくい」と思われている方も少なくないと思いますが、その大きな理由の一つが実はこの"liaison"の存在なんです。今回紹介した法則に基づいて"liaison"の技を身につければ、皆さんの英語は確実によりスムーズになるだけでなく、うれしい副産物として彼らが話す英語も聞き取りやすくなるはずです。
英語は「聞き取れないから話せない」ではなく「話せないから聞き取れない」。speakingとhearingの両方が同時にレベルアップ出来るこの方法、皆さんも是非是非お試しあれ。沢山練習してこのコツ是非身につけましょう。
因みに、ここでの母音と子音はスペルによるものではなく、発音に準ずるものです。
ではまた次回