「小指と小指を絡ませて……」という行為、国によっては「仲直りのジェスチャー」だったり「友情の証」だったりといろいろな意味があるようですが、日本ではこれは「指切り」。もちろん「約束を守る」ってことを意味しますよね。
歴史を紐解いてみると、昔遊女たちが惚れた相手に普遍の愛を誓う証として小指を詰めて渡したのが始まりなんだとか。でも実際にはそうした遊女はごく希だったらしく、中には模造品の指を渡したという話まであるそうです。
でも現代の「指切り」は、約束する側とされる側の二人が指を絡ませながら一緒にするもので、「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲~ます」なんて言いながらするのは皆さんもご存じのとおり。
で、「げんまん(拳万)」はというと、「約束を守る行為」といった意味以外、どうも「げんこつで一万回殴る」ってことも言ったものらしく、もしそうなら一万回も殴られたあげく千本の針まで飲まされる!?……いやー、こう考えてみると「指切り」って昨今問わず結構残酷な行為を要求されるものだったんですね。
そしてこの日本式「指切り」、今や"Japanese ANIME"の活躍もあって世界中に知れ渡り、アジア諸国や欧米なんかでも約束をするときの人気の儀式の一つになってるんです。
「指切り」のことは英語では"pinky promise(小指でする約束)"とか"pinky swear(小指でする誓い)"って言い、「指切りしよう」なんてときは"Let's make a pinky promise./Let's make a pinky swear."なんて言います。"pinky"は小指の愛称で"pinkie"とスペルしてもオッケー。
で指切りをするときの呪文「げんまん、針千本飲~ます」。これを忠実に英訳すると"Punch you hard ten thousand times, and make you swallow a thousand needles."とでもなるんでしょうが、この部分までは残念ながら海外には伝わりませんでした。
じゃ~英語ではこんなときどんな"呪文"が使われているんでしょう!?
一番有名なのが、 Cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye. (死を願うことを誓います、そして自分の目に(一本)針を刺します)
※"cross my heart" は胸に十字を切ることで誓うという行為です
というもの。なんとこっちも「針」がテーマ。日本のように針を千本飲むのも、欧米式の針を一本目に刺すのもどっちも残酷で痛そう。
そこでここまで残酷な約束はしたくないという人たちに人気なのが、
Cross your heart and hope to die. And hope the cat'll spit in your eye. (死を願うことを誓いなさい、そして猫があなたの目にツバを吐くように願いなさい)
このパターン。こっちは肉体的苦痛より、猫にツバを吐かれるという侮辱の方が未だましだといったところなんでしょう。
でもこれでもまだまだ、と言うなら、
Cross my heart and hope to die, if I do tell a lie (もしわたしが嘘を言ったとしたら、死を願うことを誓います)
というのもお勧め。こっちはただ「死にたいなぁ~」と思えばいいので、他の二つに比べるとかなり生やさしい感じですね。ちなみに、一つ目と三つ目は誓う側が言う呪文、二つ目は誓わせる側が言うものです。
さてさて皆さんはどの呪文が気に入りました?
小指と小指を絡ませながらお気に入りの英語呪文で、インターナショナルな「指切り」にチャレンジするのはいかが。
"Pinky swear, pinky swear. Cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye."なんて言うのもちょっとオシャレだったりして!?
ではまた次回。