英語の"that"と言えば、たとえば :

Do you see that antique car over there?
(あそこの時代ものの車見える[見えますか]?)

That man from the police called again last night.
(あの警察の人から夕べまた電話があったよ。)

I think that's a great idea.
(それ素晴らしいアイデアだと思うよ[思います])

You don't have to tell me. I know that.
(君に言われなくたって、そんなこと分かってる)

Hey, that dress looks good on you.
(ねー、そのドレスよく似合ってるね)

などのように、代名詞としての「あれ、それ」、または、形容詞としての「あの~、その~」として使われることや

I know that you are bored stiff.
(わたしはあなたが死ぬほど飽きているのは分かっている)

I can't believe that you are only 18.
(君が未だ18歳だなんてわたしには信じられない)

Are you sure that he's coming?
(彼が来るってほんとに確か?)

といったように接続詞として使われることは皆さんもご存じでしょう。

でも"that"にはこれらに加え、さらにもう一つ英語圏の人たちにが頻繁に使う形があるので、今回はその"that"を取り上げてみようと思います。

たとえば、

Am I that mean to you?
(わたしってあなたにそんなに優しくない[意地悪、キツく当たってる、冷たい]?)

Was it that good?
(それってそんなに良かった?)

No, It wasn't all that good.
(うーん、それほど良くなかった)

I haven't got paid that much money yet.
(わたしはまだそれほどの額のお金を払ってもらっていない)

See, it wasn't that difficult, was it?
(ねー、それってそんなに難しくなかったでしょう?)

I'm sorry, but I don't want to go that far out of my way.
(悪いんだけど、わたしはそこまで無理はしたくない)

Well, I would say it was that big.
(そうだね、このぐらい大きかったかな)(※)

※このときは両手を広げてその大きさを自慢げに強調する感じで言うとさらにグッド

You know you missed hitting the car by just that much.
(知ってる、君はほんの少しの差で車をよけたんだ=もう少しで車にぶつかるところだったんだ)(※)

※by just that muchで「ほんのこれだけで」といった意味。このときだけはすれすれ感を表します。親指と人差し指でそのわずかな差をあらわす仕草と一緒にして言うのがコツ

などなど。

もうお分かりでしょうが、このパターンの"that"は :

肯定的に使われるなら「思っていたよりもさらに~」とか「へー、そこまでなんだ」といったニュアンスになり、否定として使われるときは「意外にそれほどでも~ない」「そんなにすごくもない」といったような意味を持つんです。つまり肯定では「ある意味予想以上」または「思っていたよりも…」、そして否定のときは「予想に反して…」とか「予想外」といったことを表すときに便利な表現なんです。

文法的に言うとこれは"that"の「副詞」的活用になるんだとかで、英英、英和に関わらずどんな英語辞書にもちゃんと載っているもの。取り立てて新しいものでも何でもないんです。でも何故かわたしたち日本人にはあまり活用されていないし、活用されていないのがもったいない表現です。これを機にみなさん、是非チャレンジあれ。

「凄く」とか「とても」の"very"や"so"、そしてその否定の「それほどでも」の"not very"や"not so"とはまたひと味違う強調的ニュアンスを言い表すことが出来るので、皆さんの英語の幅がまた一段、広がること請け合いです。

ではまた次回

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