"cool"と言えば、「かっこいい、イカしてる、最高」などという褒め言葉だということは皆さんご存じの通り。ごく最近までは英語圏ではもちろんのこと、日本をはじめ多くの"non-English-speaking countries"でも、流行に敏感な若者から大の大人までが好んで使う言葉だったのに……それがここ半年前ほどから、一気に使用される回数が減り、今では、過去の流行言葉になろうとしているから面白い。

実はこの"cool"という言葉、4, 50年前にも一度流行ったことがあり、つまり今回の流行はいわばリバイバル。そして初期のゴールデン時期から今に至る「かっこいい、イカしてる、最高」と言うときに使われる「流行言葉の流れ」を紐解いてみると、

cool → super → far out → hip → wild → dynamite → excellent → cool

※ただし人によってはこの流れ、多少の変動ありかも

とま~、こんな感じ。

"cool, super, wild, excellent "が何故「かっこいい、イカしてる、最高」といったような意味で使われたかは皆さんも何となく想像がつくでしょう。でも何故"far out, hip, dynamite"だったのかと言うと:

"far-out"は60年代のミュージシャンたちが流行らせた言葉。その当時は突拍子もない音楽が良い音楽とされた傾向があり、それが由来だとか。で、どんなときに使われたかというと「型破りな」とか「斬新な」といった意味を含んでの「「かっこいい、イカしてる、最高」といったことを言うとき。たとえば、

A: Hey, we've got ourselves a gig tonight.
(ねー、今晩仕事(演奏する仕事)が(一つ)あるよ)

※gigも同時代、ミュージシャンたちが流行らせた「仕事(短期、特定期間のみ)」を意味する言葉です。

B: That's far out!!!
(凄いじゃん!、やったじゃん!)

という風に。

そして"hip"は、「新しい事に敏感=かっこいい、秀でている」といった意味があるので、"My brother is not hip."なら「僕の兄[弟]はイカしてない」、"They are the hip crowd."と言えば「彼らはイカした人の集まりだ」といったことになるんです。

また"dynamite"はとても単純。「ダイナマイト=爆発=過激でイカしてる」というのがその意味。使い方も単純そのもので、"Wow, that's dynamite."や"Peter is a dynamite guy."といった感じ。

あっそれから流行言葉としての"excellent"は「エクセレ~ント」というように、「レ」の部分を強調し、のばし気味に言うのがコツだったんです。

そして、時は今、2011年1月。今もっとも流行っている「かっこいい、イカしてる、最高」といった意味の言葉はというと"awesome"。こちらは"cool"と同時期に使われ始め、そこそこは使われ続けてはいたんですが、ずっと"cool"の陰にあり二番煎じ的位置に甘んじていたのが、ついにここに来てトップの座を得たんです。皆さんも是非使ってあげてください。

また"awesome"ほどの市民権は得てはいないものの、一部の若者たちの中では"That's tight.(それ最高)"、"You rock!(君最高にイカしてる)"や"Lady Gaga is money.(Lady Gagaはほんとかっこいい、凄い)"といった表現も使われているし、今もっとも上昇気流にあるのが"buck"という言葉。こちらは「過激さを含むかっこよさ、とてつもない凄さ、相当なレベルにある様子」などを言ったものなんですけど、果たして"awesome"の次の流行言葉になれるのか? 要注目といったところの存在です。

筆者にとってこのコラムを読んでくださる皆さんは当然ながら、You buck and you're all awesome!!!……ですけどね。

ではまた次回

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