ジェットマン社長井上氏のiPhoneを拝見!!
さまざまな業界で活躍する時代の先駆者。彼らの携帯に着目してみると、iPhoneユーザーが多いことに驚かされる。本連載では各界で輝く「気になるあの人」を訪ね、彼らの個性あふれるiPhone生活に迫っている。連載3回目は、iPhoneアプリ開発をはじめ、ゲームソフトからTVCMまでクロスメディアのコンテンツ企画を手掛けるジェットマン 代表取締役社長の井上幸喜氏。会社の経営だけでなく、宝塚造形芸術大学准教授も勤める同氏に、iPhoneの魅力とその可能性を伺った。
* * *
――井上社長がiPhoneを購入したのはいつ?
今iPhone 3Gをメインで使っているのですが、これは発売されてすぐに購入しました。ドコモの携帯電話も使っていて、こちらは主に通話につかっています。ほかにも、研究開発用にiPhone 3GSやiPod、他のOSのスマートフォンも持っています。
――素敵なiPhoneケースをお使いですね
これ、実はPalm専用のルイ・ヴィトンケースなんです。昔、妻が「Palm Vx」を持ち歩いていたときに使っていたのをiPhone用に加工してみました(笑)。「それ、どうしたの」って結構聞かれるんですが、自分で作ったんです。
――井上社長のお気に入りアプリは?
「NASA app」っていうアプリがお気に入りです。NASAから現在のミッションの進捗情報やその画像を得ることができます。ほかには「Star Walk」という星座早見盤アプリ。過去にさかのぼって星座を調べることもでき、タイムマシンに乗っているみたいでワクワクします。昔から天体ものが大好きなので、完全に趣味の世界でアプリを楽しんでいますね。
「NASA app」は、NASAがWeb上で公開している写真や動画、ミッション情報を閲覧できる無料アプリ。国際宇宙ステーション(ISS)の現在位置も確認可能だ |
「Star Walk」は、IYA 2009(国際天文年2009)の公式の天文観測アプリ。3Dで表示された地球をタッチして位置を選び、その場の星空を観測できる。タイムマシン機能を使えば過去の星空を見ることもできる |
――アプリ開発の専門家から見て、「これはスゴイ」と思うアプリってありますか?
「ウェザーニュースタッチ」という天気情報アプリはスゴイと思いましたね。どこでも天気予報や雨雲の動きを確認できるのはもちろん、ライブカメラで日本各地の状況を視覚的にとらえることができる。これはまさにiPhoneらしいアプリだと感じました。また、世界中との無料通話が可能になる「Skype」の登場は、iPhoneはもはや一般的な携帯電話ではないことを実感させられました。
「ウェザーニュース タッチ」は、雨雲の動き、衛星写真をもとに、最新の気象情報を確認できる。全国に設置されたライブカメラから、各地の映像が閲覧できる |
「Skype」は、IP電話サービスのSkypeのiPhone版。Wi-Fi接続ができる環境であれば、Skypeユーザー同士で無料通話が行える |
――ゲーム開発者から見たiPhoneゲームの未来は?
ゲーム機としてiPhoneを捉えると、画面が小さいとか、データノイズが大きいとか、今の段階では不便な部分もあります。でも、ずっと持ち歩くiPhoneだからこそ可能な、少しゆるやかなタームで楽しめるゲームアプリが多く出てくると思います。
――御社が提供するiPhoneアプリ「iDoll Viewer」について教えてください
iDoll Viewerは、女の子の3Dキャラクターが音楽に合わせてダンスするサウンド・イコライザーアプリで、画面に指で触れることでコミュニケーションがとれます。ドラックして回転させたり、ピンチして拡大したり――ダブルタップすると恥ずかしがったりします(笑)。
「iDoll Viewer」は、音楽に合わせてダンスするキャラクターを回転・拡大させて、さまざまな角度から眺めることができる。4000ポリゴンのモデルを毎秒30フレーム描画可能。現在提供しているver.02では、端末を横向きにすることで女の子を2頭身キャラにできる「チビキャラ・モード」が利用できる。同アプリは現在(2009年12月10日時点)、7割引の150円で提供中。ちなみに、キャラクターの女の子は井上社長がデザインを担当した |
――かわいい女の子のキャラクターが印象的なアプリですが、"萌え系"を意識して開発されたんですか?
最初から"萌え系"のアプリを作りたかった訳ではないんです(笑)。弊社のフレームワーク『i-3Dviewer』を使ったアプリの開発というのが先にあって、次に弊社の技術を証明するためのサンプルとして"萌え系"の女の子のスキンを考えたんです。実は、モデルのつなぎ目を見せずにリアルタイムに動かすのは高度なテクニックなんですよ。また、こういう系統のアプリがアップル社にどれだけ通用するのか、というのを試してみたかったのもあります。ほかには、新しいビジネスのトライアルという位置づけもあります。
――どういったビジネスなのでしょう?
iDoll Viewerでは"萌え系"の女の子のスキンを使っていますが、i-3Dviewerを活用すれば3Dモデルに車やロボットなどさまざまなスキンを貼ることができます。クライアントの要望に応じてスキンをカスタマイズして提供することが可能です。例えば、クライアントが希望するキャラクターがしゃべって商品をPRするなど、いま主流のバナー広告に代わる新たな広告ツールになりうると考えています。それを既存のWebや映像など他のメディアとクロスさせることで、新たな楽しさが生まれると僕たちは思っているんですよ。
iDoll Viewer | ||||
---|---|---|---|---|
115円(70%OFF) | 10.4MB | |||
エンターテイメント | masae soma | |||
iPhone OS 2.2以降 | iPhoneおよびiPod touch |
――経営者、デザイナーでありながら、芸術大学の准教授も勤める井上社長が考える、デジタルコンテンツ開発に必要なものとは?
一番重要なのは発想です。そして、面白い発想を生むために必要なのは「人と違うところを見る」ということ。うち(宝塚造形芸術大学)の学生には「斜め視線でものを見なさい」ってアドバイスしているんです。つまり、摺り込みによって身につけてしまった概念に流されない発想を持ちなさいと教えているんです。
――今後のiPhoneの方向性についてはどのようお考えですか?
iPhoneは、電話というカテゴリから完全に解放され、使う人それぞれの仕様によりカスタマイズされていくと思います。また、「持ち歩く」ものというよりは、目とか耳とかと同じ、体の一部のような存在になっていくでしょうね。
井上幸喜(いのうえ・こうき) シームレスMIXメディアの企画開発 JETMAN(ジェットマン)代表取締役
Sony Music Entertainmentなどを経て、JETMANおよびJetGraphics代表取締役。宝塚造形芸術大学 准教授。CG業界黎明期より映像、ゲームコンテンツの企画、アートディレクションに携わる。ゲーム、Web、映像など既存のメディアと、AR、iPhone、Androidなど新しいメディアをMIXさせたコンテンツの企画とユーザー導線の設計を手掛ける。著書「iPhoneSDK3 ゲームプログラミング大全」(アスキー・メディアワークス)
・JETMAN:http://www.jetman.co.jp
・JetGraphics:http://www.jet-graphics.com
(瀬川あずさ@ゴーガ)
◆株式会社ゴーガ (港区南青山/代表取締役 小山文彦)
自分を追求し、社会に貢献する―このスタイルにこだわりながらウェブコンサルティング、データ分析、ソフトウェア開発などを手掛けるウェブマーケティング企業。
・ホームページ:http://www.goga.co.jp/
◆瀬川あずさ
株式会社ゴーガにてプレスを務める傍ら、フードアナリストやライターとしても活動。各メディアにて情報発信を行っている。
・食いしん坊プレスのブログ:http://segawa.goga.co.jp/
・Azusa's Gourmet Diary:http://ameblo.jp/segawa-azusa/
マイコミジャーナルでは本企画にご協力いただけるiPhoneユーザーを募集しております。ご協力いただける方は、こちら(mj-press@mycom.co.jp)までご連絡お願いいたします。