前回、海外でiPhoneを使う場合の通信方法として、キャリアの海外パケット定額サービスをご紹介しました。今回は、レンタルで使える海外用のモバイルWi-Fiルータをご紹介します。
モバイルWi-Fiルータって何?
モバイルWi-Fiルータは、持ち歩いて使える無線LAN端末で、iPhoneに限らずWi-Fiが使える機器であれば何でもモバイルWi-Fiルータ経由でインターネットに接続ができます。
日本国内でも携帯電話キャリア各社が提供していますが、海外向けに通信契約設定済みの端末をレンタルできるサービスがあります。これを使えば、海外でモバイル通信を使わずに、メールやメッセージ、SNS、地図などのアプリを使うことができます。
モバイルWi-Fiルータの使い方
レンタルする
モバイルWi-Fiルータは、サービス各社から1日単位でレンタルができます。渡航先の規格に合わせた電源プラグと、充電器・ケーブルがセットになって、レンタル料は1日700円程度~1,900円程度(会社・利用地域によって異なります)。これに保険料やオプション機器などの料金がプラスされますが、キャリアの定額サービスよりは安く使えるケースが多いでしょう。
割引サービスや、長期利用のパック料金なども提供されているようなので、各社のサービスを確認してレンタルしてください。Web上で見積もりも可能です。受け取りは空港の各社サービスカウンターで、または事前に宅配してもらうことも可能です(送料別の場合もあり)。
670~1,770円/1日。16日以上で長期割引あり |
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700~1,500円/1日。パックプランや長期SIMレンタルもあり |
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480~1,580円/1日。175ヶ国で使える世界周遊プランあり。 |
飛行機に乗る前
出発前に、iPhoneの「モバイルデータ通信」をオフにします。これで、渡航先で誤ってデータ通信を使ってしまうことを防げます。飛行機に乗る際はその他の通信機能もオフにするため「機内モード」にしましょう。
その他、自動的にデータのアップロード・ダウンロードを行う機能はあらかじめオフにておくのがおススメです(詳しくは後述)。
現地で電源ON
レンタルしたモバイルWi-Fiルータは、現地に到着してから電源をONに。日本国内では電源を入れないよう注意しましょう。
接続の仕方は一般のWi-Fiと同じです。最初の1回だけ、説明書などで指定されたSSID(ネットワークの名前)を選択し、パスワードを入力。あとはWi-Fiがオンの時に自動的に接続されます。
実は怖い、通信量の落とし穴……ここに注意!
日頃何気なく使っている間にも、実はiPhone上ではけっこうな量のデータが自動的にアップロード/ダウンロードされています。大容量のデータはなるべくWi-Fiを使うよう設計されていることが裏目に出た格好です。
一般的なWi-Fiは通信量の上限なしと思ってしまいがちですが、海外レンタルの場合はそれが通用しないことも。レンタルのサービス紹介では明確に上限を表示していなくても、小さい文字で「一定の期間中に規定量を超えると、一時的に通信が制限される」という注意事項が書かれている場合がありますので、借りる際には必ずご確認を。
通信量の無駄遣いを防ぐため、iPhone上で事前に下記の対策を行っておくのがおススメです。
フォトストリームを停止
iPhoneで撮った写真を自動的にiCloud上にアップロードする機能です。旅行中に写真や動画をたくさん撮るとアップロード量を押し上げてしまうので、要注意。たくさん取るなら一時的にフォトストリームを停止するか、別にデジカメを持って行って写真を撮るのがおススメです。
フォトストリームを停止すると、このiPhone上の「自分のフォトストリーム」に入っている写真が全て削除されますが、iCloud上には残ります。帰国後「自分のフォトストリーム」を再度オンにすると、30日前まで遡って再度ダウンロードされます。
アプリやPodcastの自動ダウンロードを停止
通常は便利な機能が、ここではアダに。Podcastの新着エピソードや、アプリの更新を自動的にダウンロードする機能は意図せず大きな容量をダウンロードしてしまう可能性があるので、オフにしておきましょう。
他の端末との共有や無駄遣いにご注意
iPadやノートPC、一緒に行く家族や友達のiPhoneなど、複数の端末でWi-Fiを共有すると、使用量が2倍・3倍と増える恐れがあるので要注意。音楽や電子書籍をダウンロードする際には、それがどの程度の容量なのか確認が必要です。また、オンラインの動画視聴は控えた方が無難でしょう。
もし規定量で足りなくなりそうなら、2台レンタルしたり、一部の会社で提供している大容量プランの利用がおススメです。