Appleが新製品を発表するスペシャルイベントが、日本時間9月13日午前2時(現地時間12日午前10時)から行われます。iPhoneの新モデルは一体どうなるのか。現在までに聞かれるさまざまなウワサをまとめてみました。
ラインアップは?
iPhoneのモデルは今年も4種類になる見込み。サイズも現行モデルと変わらず、6.1インチと6.7インチの2種類です。ただし、現行の「Pro Max」ラインにさらなる上位機能を追加し「Ultra」になるのでは? という見方が出ています。
- iPhone 15
- iPhone 15 Plus
- iPhone 15 Pro
- iPhone 15 Ultra(?)
わかりやすいようなわかりにくいような……。ただ、この数年で「M1 Ultra」「Apple Watch Ultra」など、最上位モデルに「Ultra」を冠する例が続いています。2語より1語で特定できた方が、現場的に間違いにくいという利点も考えられます。
チップ性能は?
注目の3ナノメートルプロセスで製造された「A17 Bionic」プロセッサが、ついにPro/Pro Maxの上位モデルに搭載されることが見込まれています。一方、15/15 Plusは、現行の14 Pro/Pro Maxで採用された「A16 Bionic」チップが搭載される見通しです。
AI(Apple的には「機械学習」)が活用される場面がますます増えることは確実なので、ニューラルエンジンの性能がiPhoneの性能により大きく影響することになるはずです。
A17は、A16と比べてパフォーマンスが約15%高速化、電力効率は約35%向上すると伝えられています。また、注目の「Vision Pro」との連携用と目されるチップが搭載されている、とのウワサもあります。
カメラ性能は?
iPhone 14 Pro/Pro Maxのメインカメラは48MP、対して14/14 Plusは12MPです。これが、今年は全モデルで48MPになると見込まれています。ただし、イメージセンサーの性能には差があると考えられます。
また、15 Pro/Pro Maxではフロントカメラが2カメラ構成になるというウワサも。フロントカメラで撮った際のポートレートモードやリアルタイムの背景ボカシの精度が高くなるかもしれません。
さらに、Pro Maxでは光学ズームがより強化された「ペリスコープカメラ(潜望鏡カメラ)」が搭載される可能性があります。これは、プリズムを用いて光を屈折させることで、薄型デバイスでもより高い光学ズーム倍率が得られる仕組みです。これまでもコンパクトタイプのデジタルカメラに用いられてきた技術で、Android端末ではすでに複数のメーカーが採用しています。
デザインは?
iPhone 15/15 Plusは現行モデルのデザインを踏襲するという見方が濃厚です。ただし上部の「ノッチ(切り欠き)」がなくなり、現在の14 Pro/Pro Maxで用いられている「ダイナミック・アイランド」が採用されるとの見通しです。
一方、iPhone 15 Pro/Pro Maxは、現状のステンレススチールに代わり、シャーシにチタニウムが採用されるというウワサ。フォルムについても、iPhone 12以来の本体デザインが変わるとの見方が出ています。現状は重い上にエッジが真っ直ぐで、持った時に指への負担が大きいため、ここは改善してほしいポイントです。
シャーシの再設計によりガラス交換が現状より容易になる可能性も指摘されており、より長く使うための改善でもあることも考えられます。チタニウムのボディは、過去のApple Watchシリーズや現在のApple Watch Ultraで採用された実績があります。
Apple Watch Ultra関連でいうと、好評の「アクションボタン」がiPhoneに逆輸入される可能性があります。現在の「着信/サイレントスイッチ」が、カスタマイズ可能な物理ボタンに置き換えられるというウワサです。確かに、サイレントモードはコントロールセンターから設定できますし、この機能だけのために物理ボタンを設置するのはもったいないポイントです。
コネクタは?
充電コネクタは、長らく求められていたUSB-Cへの移行が確実視されています。EUの規制に対応する形でのUSB-C対応は数年前から言及されていましたが、ようやくこれが実現されることになりました。現在のLightningコネクタが初めて採用されたのは、2012年のiPhone 5。以来11年間、長らくお世話になりました。
しかしこれには続きがあり、ポートの形状は同じでもiPhone 15/15 PlusはUSB 2.0、15 Pro/Pro MaxはUSB 3.2と、異なる規格が採用されるとのウワサです。上位モデルはThunderbolt対応チップ搭載とのリークも流れました。USBの規格の話はややこしいので細かいことは省略しますが、もしこの通りであればデータの転送速度がびっくりするほど違う可能性があります。
これと似たような状況が実はiPadですでに起きています。iPadの現行モデルはすべてUSB-Cタイプのコネクタを搭載していますが、iPad ProはThunderbolt/USB4対応で転送速度は最大40Gbps。一方、無印のiPadは(公式スペックにはありませんが)USB 2.0と見られています。
バッテリーは?
新しいバッテリー技術の採用により、iPhone 14シリーズに比べてバッテリー容量が10%以上アップするというウワサがあります。これは電気自動車に採用されているバッテリー積層技術の応用によるもので、急速充電性能の向上にも貢献すると見られています。ケーブルを使えば40W、また無線充電でも20Wの急速充電が実現するかもしれません。
価格は?
毎年値上がりしている印象のあるiPhoneですが、実は米国の新製品価格は過去3年間変わっていません。特に上位モデルはiPhone X以降変わらず$999です。
最近高くなったと感じるのは、円安の影響によるものです。過去3年間の国内価格の推移を見ると、想定為替レートの変動が浮かび上がってきます。現在のレートを見れば、今年は昨年よりさらに円安に傾くことは想像に難くありません。
仮に、$1=145円と想定すると$799のスタンダードモデルは11万5,855円。消費税を加えれば12万7,440円となり、一昨年なら上位モデルが買える金額です。さらに上位モデルには値上げのウワサもあります。スマホ初心者にはiPhoneを、とは言いづらい状況が当面続きそうです。