2023年6月5日(現地時間)から、Appleの開発者向けイベント「WWDC23」が開催されます。その最初に行われる基調講演では、各デバイスの次期OSアップデート内容の紹介が定番ですが、今年は長らくウワサされてきたApple初のMRヘッドセット「Reality Pro」(仮称)がついに登場するのでは? との見方が強まっています。

元通り、とはいかないものの現地イベントも開催

2020年に行われた初めてのオンライン開催以降、すっかりこの形も定番になってきましたが、昨年秋のスペシャルイベントに続いてWWDC23でも一部現地へ来場者を招いた形でのイベントが開催されます。基調講演および開発者向けのより詳細なプレゼンテーション「Platforms State of the Union」は会場の参加者も同時に視聴。

また、一部のゲストにはApple Parkの本館見学ツアーや、開発者向けの施設「Apple Developer Center」でのイベント、“Special Evening Activity”とされるイベントも予定されているそうです。

  • WWDC23もオンライン開催となりましたが、一部現地でのイベントや見学ツアーなども開催。徐々に形が変わりつつあります。画像はWWDC22のもの

OSアップデートはwatchOSに注目か

毎回注目の基調講演での発表内容について、まずは定番のOS類をまとめておきましょう。例年の流れであれば、2023年秋のリリースが見込まれるのは次のOSです。

  • iOS 17
  • iPadOS 17
  • macOS 14
  • tvOS 17
  • watchOS 10

このうち、watchOS 10は登場以来の大幅なアップデートとなる可能性がウワサされています。これはハードの方が大きく関係しており、今年の発売が見込まれる次期Apple WatchにはiPhone 13シリーズと同じ「A15」チップが搭載されるというウワサが出ているのです。Apple Watchの「S」チップは近年ほぼ進化が見られなかったのですが、今年は本体も含めて変革が期待できるのかもしれません。その他のOSはマイナーアップデートに留まるとの見方が濃厚です。

  • WWDCの新OS紹介といえばこの人、コテコテのプレゼンを披露するソフトウェア担当上級副社長のクレイグ・フェデリギ氏です。今回はiOSもmacOSも小幅なアップデートに留まりそうですが……

長年ウワサされていたあのデバイスがついに?

次に、ハードウェア類です。ここ数年、イベント間近になると浮上しては消えていた幻のMRヘッドセット「Reality Pro(仮称)」が、ついに現実になるかもしれません。「まだ先だろう」という見方もある中、WWDCに複数のVR専門家(ジャーナリストやクリエイター)が招待されているとの情報が一部で報じられたのです。Apple Watch発表の際にファッション業界関係者が招待されていた前例もあり、可能性は濃厚になってきたと言えるでしょう。

MRとは、ゲームなどの仮想空間に入り込むVR(Virtual Reality/仮想現実)と、現実世界にデジタル情報を重ね合わせるAR(Augmented Reality/拡張現実)を組み合わせ、現実空間に仮想オブジェクトを重ね合わせる技術です。

発表されればAppleとしてApple Watch以来となる新カテゴリのプロダクトであり、結構な大ゴトです。完成度に関してはアレコレと憶測が出ているものの、世間に相当なインパクトを与えることになるのは確実です。ハードウェア本体に加え、OSやアプリ、開発キット、関連サービスなども必要ですから、発表のボリュームは大きなものになると予想されます。

その他のハードウェアでは、新しいMacの発表も予想されています。2021年頃からウワサのあった15インチMacBook Air、また新型の13インチMacBook Airおよび13インチMacBook Proが候補です。チップはいずれもM2系が見込まれています。デスクトップでは新型のiMac登場のウワサもありますが、こちらはM3チップを搭載して来年発売されるとの見方も出ています。そうなると、未だAppleシリコン搭載モデルが出ていないMac Proの動向も気になるところです。

  • WWDC22で発表された「M2」チップ。世界的にAIへの注目が高まる今、これまでじわじわと機械学習性能を高めてきたAppleシリコンは存在感を示せるのでしょうか

WWDC23基調講演を視聴するには?

WWDC23基調講演は、日本時間6月6日(火)午前2時(5日深夜)よりオンラインで配信されます。Apple公式サイト、またはYouTubeの「Apple」チャンネルでも同時に配信。日本語字幕が利用できます。また、後から「Podcast」でも視聴が可能です。

  • WWDC23のイベントページ。今回のメインビジュアルはApple Parkにあるオブジェをモチーフにしたもののように見えます