Appleは3月9日(日本時間)に配信したイベントにて、新型「iPhone SE」「iPad Air」、新たなデスクトップ機「Mac Studio」などの製品を発表しました。ここではiPhone SEにフォーカスして、進化のポイントや旧モデルとの違いをご紹介します。

  • 今回のイベントではiPhone SE(第3世代)の他、M1チップ搭載のiPad Air、M1 Ultraチップ搭載のMac Studioなどが発表されました

見た目は変わらず、サイズも全く同じ

新しく発表された第3世代のiPhone SEは、第2世代と同じTouch ID搭載の4.7インチモデル。外型サイズは全く同じで、重量はわずかに軽くなっています。

  • iPhone SE 第2世代と第3世代のサイズ比較。数字上はほぼ変わりません

  • カラーも同じく白・黒・赤の3色ですが、ブラックはミッドナイトへ、ホワイトはスターライトへと、微妙に変更されています

気になるバッテリー駆動時間は1〜2割アップか?

第3世代ではバッテリーが強化されました。人によっては少々不満の声もあった第2世代ですが、今回はその点も安心できそうです。公称スペックによると動画や音声の再生時間は1〜2割程度アップしているようです。

  • 第2世代からはまあまあの強化。参考までに、iPhone 12 miniのスペック値と同等です

A15 Bionicチップで正直何が変わる?

iPhone SE 第3世代のスペックの目玉は、その搭載チップです。現行の最新モデルiPhone 13/13 Proシリーズと同じ「A15 Bionic」チップが搭載されています。第2世代に搭載されていたA13 Bionicと比べると、顕著な違いは機械学習に関わるニューラルエンジンの計算速度にあります。A13の計算性能が毎秒6兆回なのに対し、A15は毎秒15.8兆回へと2倍以上に跳ね上がっています。

これによって特に処理能力に差が出ると予想されるのは、
・カメラのポートレートモード
・マイクモード
・マップの3D表示
・マップのAR経路案内
・カメラ、写真のテキスト認識
といった機能です。

  • 一眼レフカメラで撮影したような背景のボケを再現できる「ポートレートモード」、暗めの場所でも繊細なディテールを捉える「Deep Fusion」、明暗の差が激しい場所でも白飛び・黒つぶれを防ぐ「スマートHDR 4」などの機能は、チップ性能に依存します

  • OSを英語モードにすると、カメラを向けた書類や看板などのテキストを認識。コピーしてメモなどに貼り付けたり、電話番号に発信したりできます

最近のOSアップデートには、機械学習機能を活用した新機能が多く含まれます。機械学習に強いA15は、OSのポテンシャルを引き出すのに最適なチップと言えます。より長い期間OSのアップデートに対応して使い続けることも可能でしょう。

また、グラフィック性能も大きく異なります。公称値によると
・iPhone SE(第二世代)に比べて 最大1.2倍速い
・iPhone 8に比べて 最大2.2倍速い
・iPhone 7に比べて 最大3.7倍速い
となっています。

特に、ゲームや動画・写真の編集などにおいて違いが体感できるでしょう。

  • この他、前面・背面のガラスがより丈夫になって耐久性が向上。5G通信にも対応しているので、通信会社の5Gプランを使いたい方にもおススメです

でも、お高いんでしょう?

iPhone SEは、ライトユーザーや初心者向けをエントリーモデルに当たります。現行の各モデルとその差を比較してみました。現行モデルではiPhone SE(第3世代)64GBが唯一の5万円台。同じA15チップを搭載するiPhone 13 miniより2万円以上安いのはお買い得と言えるでしょう。

  • 現行モデルの中ではお買い得感の高いiPhone SE(第3世代)。ただし、第2世代に比べると8,000〜1万円近く値上がりしています