先日行われたAppleの新製品発表会では、新しいiPhone 6sシリーズが発表されました。見た目は新色が追加されたこと以外あまり変わっていませんが、4K動画撮影や3Dタッチなど、中身はだいぶ変わったようですね。
発表会ではiPhone本体の話が中心となり新しいiOSのことは詳しく紹介されませんでしたので、ここでざっくりおさらいを。こちらも見た目はあまり変わっていませんが、実用的機能が地味に強化されています。iPhoneを買い換える予定のない方も無料でアップデートできるので、参考にしてください。
Siriが賢く進化
誕生した当初はおちょくられる程度しか役目のなかったSiriも徐々に賢くなり、iOS 8では日本語でもかなり実用的に。iOS 9ではさらに大きく進化します。書きかけのメールを後で忘れずに送るために「今日の夜これをリマインドして」とSiriに頼んだり、「アップルパイのレシピ」と尋ねればアプリの中まで検索するなど、求めたことをより的確に理解できるようになります。
iPhoneをどう使うのか、iOSが先読み
朝、iPhoneのロックを解除したら天気予報を見る、友達におはようメッセを送る、ジャックにイヤホンを差し込んだら音楽やPodcastを聞く、などiPhoneの使い方には日課になっているものありますよね。iOS 9ではそうした使い方を先読みして、探す前に検索画面で天気予報やメッセージアプリを提案したり、イヤホンを刺せばよく聞くプレイリストを提案してくれます。ホーム画面のアプリの並べ方を気にする必要はなくなりそうです。
ビルトインアプリが進化
メモアプリがリッチなドキュメントエディタになります。マップやSafariなどの共有ボタンから情報をメモに取り込んだり、メモアプリ上で写真を撮って貼り付けたり、手書きのスケッチを加えることも可能に。ファイルブラウザで文書一覧も見やすく、探しやすくなります。
メールアプリでは、iCloudに保存されたファイルを添付して送ることが可能に。ファイルのやり取りがパソコンと同じような感覚でできるようになります。また、添付した写真や書類には図やコメントを直接書き込むことができます。メールの検索機能も改善。ビジネスでもより実用的に使えるようになりそうです。
新登場のアプリも
ホーム画面に新しく「ニュース」アプリが加わります。「グノシー」や「SmartNews」といったニュースキュレーションのApple版といった形ですが、こだわりのフォントやデバイスに合わせた表示、動画などのマルチメディアも組み込んだ独自のレイアウトシステムを使うことが特徴の様子。ただし、日本版のサービス提供はまだ先になりそうです。
Appleのクラウドストレージ「iCloud Drive」が単独のアプリとした登場です。これまでは各アプリからiCloudに保存したドキュメントにアクセスしていましたが、これがパソコンでフォルダを開くのと同じ感覚で使えるようになりそうです。MacとiOSデバイスのシームレス化がさらに進化します。
OSの基礎体力強化
ユーザーから見ると地味な部分ではありますが、大事なところ。見えない部分の動作を効率化することで、バッテリーの持続時間が標準で約1時間長くなります。画面を下に向けて置いておけば通知が届いても画面がオンにならないなど、細かな節電機能も。また、画面表示を制御する能力をより効率的に使えるように改善され、Webページやドキュメントの表示高速化、なめらかな動作など、サクサク感も向上します。
前回のiOS 8のアップデートでは、ファイル容量自体は1.1GBだったものの、アップデート作業に5.7GB以上の空き容量が必要とされ、苦労した方も多かったのでは。今回は1.3GBの空き容量でアップデートが可能となるので安心です。
セキュリティ面では、パスコードがデフォルトで6桁に。毎回入力するのは大変なので、Touch IDが活躍しそうです。また、MacOS X El Capitanとの連携でアカウントへの2段階認証に対応。無許可のユーザーによるアカウントへのアクセスをより強固に防ぐことができます。