第48回 とってもパワフル! なNew iPad Pro

さて買ってきた10.5インチiPad Pro の性能はどうなの? と試す前に、まずは今まで使ってた12.9インチから10.5インチへの移行作業を行おう。

2つのサイズのiPad Pro。さて性能はどれくらい違うだろうか

12.9インチから一発移行

iOS機器の利点はここ、と言い切っても過言ではないのがデータの移行処理の簡単さ。PCを母艦にしておけば全データのバックアップを取り、一気に新機種に移行させることができるのだ。しかも今まで使ってきたゲームのデータなども確実に移行できるので、昨日まで使ってきた旧機種と同じ感覚で新機種を使い始めることができる。

iOS機器のバックアップには2つの選択肢があり、1番目の「iCloud」にバックアップの場合はiPad内の重要なデータのみをiCloud上にバックアップする。このときアプリのデータなどは消えてしまうことがある。2番目の「このコンピュータ」の場合は全体的なバックアップを取ることができるが、一部のゲームデータやメッセージ、LINEのやりとりなどは消えてしまう。なので、その下にある「iPadのバックアップを暗号化」を選択してパスワードを指定しておくと、全てのデータが暗号化されてバックアップされる。この手順で12.9インチのデータをバックアップして10.5インチに復元すれば、30分程度で完了。サイズの違う同じiPadの出来上がりー。

iOS機器のバックアップは必ず「iPadのバックアップを暗号化」で行おう

バックアップしたiPad Proを選んで復元を行えば、アプリやデータが全く同じiPad Proができる

10.5インチの性能をゲームで比べよう!

さてこれで使えるようになった10.5インチ。スペック上は初代12.9インチよりも新しい10.5インチの方が性能が上だ。10.5インチのA10X Fusionプロセッサは9.7インチのiPad Proよりも倍近く速く、12インチのMacBookよりも高い性能があるとも言われている。でもまぁそれらをベンチマークで見ても仕方ないし、iPadianとしてはやはり体感速度をお伝えするのが一番良いだろう。ということで、毎度恒例「Real Racing 3」をプレイして性能を感じてみよう(酷い)。

Real Racing 3は3Dのレーシングゲーム。描画性能とかCPU性能が高いとコースの読み込み速度や見え方に差が出てくると思うので、これをベンチマークに使うのは正しい(と言い張る)。実際、ゲーム起動時の読み込みはかなり早く、コースの読み込みも今まで選択してスタートするまでにあった少しの間がほとんどなくなっている。

今シーズンはル・マンに合わせて、日本車で唯一ル・マンを制覇したMAZDA 787Bの限定シリーズがあった

コースの描画はあまり変わってない気もするが、少し精細度が上がってる? 12.9インチにはアンチグレアのフィルムを貼ってるのでプレイ中には確認できないけど、リプレイをキャプチャした画面を見ると路面の感じとか木のイメージとかびみょーに変わってるよーな気も? もっとも、120Hzのリフレッシュレートを誇るProMotionにはまだ対応していないはずなので、やはり描画に大きな差はないのだろう。このへん、ぜひ早いとこ対応してほしいですね。

そして12.9インチと比べると軽いこともあってハンドルは回しやすく操作性は良いのでタイムは良い。うん、さすがは最新機種、ゲーム機として優秀(間違ってる)。

10.5インチiPad Pro

12.9インチiPad Pro

スクリーンショットでは大きな差は見られなかった。ProMotion対応が待たれる

カメラ性能やキーボードも比べてみよう

他にも変わってる部分を比べてみよう。初代12.9インチと比べやすいのはカメラ性能。画素数だけがカメラ能力の全てではないが、やはりiPhone 7と同等のカメラが付いてるなら期待してみたくなるところ。同じ被写体を12.9インチ、10.5インチ、もう一つiPhone 7 Plusで比べてみよう。

やはりこうして撮影してみると、10.5インチと7 Plusの写真は色味が正しく光と影の部分がはっきりしていて綺麗。12.9インチのカメラは悪くはないが、全体的に暗め。好みの問題ではあるが、画としては10.5インチの方が良さそうだ。

iPhone 7 Plus 1,200万画素

10.5インチiPad Pro 1,200万画素

12.9インチiPad Pro 800万画素

3つを並べてみると7 Plusと10.5インチはほぼ同じ画が撮れている。12.9インチも十分に健闘しているが、光と影の部分で差がはっきり出ている。

iPad Proを持って撮影していた思うのは、なぜかとても撮影しにくいということ。野外だと液晶面がとても見にくくなり、しかも手持ちで撮るのが結構難しい。例えば授業の黒板を撮影するとかの目的には良いかもしれないが、積極的にカメラの代わりとして使うのは難しいかもしれない。

そしてもう一つ今回から加わったのはJISキーボード。普段JISキーボードを使っている人やWindowsでJISキーだった人にはやはり嬉しい追加だ。かく言うiPadianもここ数年はずっとJISキーボード。キー配置云々よりもリターンキーが大きいのが好きなので、文字入力するのに抵抗がなく便利だ。

別に大きな違いがあるわけでもないはずなのにJISキーボードの方が打ちやすく感じる。12.9と10.5のサイズの差なのだろうか?

Apple Pencilのペアリングし直しは簡単で、10.5インチのLightningポートにApple Pencilを挿すと「ペアリングしますか?」と聞いてくるので、「ペアリング」を選ぶだけで接続完了。あとは問題なく利用できた。

12.9インチにペアリングされているApple PencilをLightningポートに挿す

ダイアログが出てくるのでペアリングを選べば接続完了。すぐ使い始められる

こうして触ってみると、現時点で旧機種と新型では処理能力が高いことを除けば大きな差が出ていないようにも感じる。やはり新型iPad Proの真価が発揮されるのは、iPad用に様々な新機能が追加されるiOS 11が搭載され、アプリが対応してからと言うことだろう。旧機種を持っている人は今すぐ焦って買い換えなくても、秋までに余裕を持って考えれば良いかもしれない。