第45回 iPad Proでガッツリ写真加工

エプソンの最新プリンタが手に入ったので、写真印刷を色々試してみたいなーと考えた。エプソンやキヤノン、HPのプリンタはAirPrintに対応しており、iOS機器から直接印刷できる。

エプソンのEP-30VA。インクコストを抑えながら今までより綺麗な写真印刷ができる中級機。ネットワーク接続できるので同一ネットワーク上にiPadがあれば呼び出して印刷できる

エプソンのiPrintはiOS機器から印刷するアプリ。写真.appなどから写真を選択して印刷する

しかし問題は印刷する素材。iOSアプリは手軽にフィルターをかけたりする画像加工アプリは多いけど、Macのソフトのような細かな加工ができるアプリはあまりない。A4の写真用紙に印刷するような場合、もうちょっと細かな加工ができるアプリが欲しいところ。それにiPad Proを使うなら、Apple Pencilが使えるアプリはないものか。そこでいくつかのアプリを試してみた。

今回iPad Proで試す画像加工アプリ。どのアプリも写真.appから写真を呼び出して加工、再度、写真.appに保存することができる

まずは第33回の「iPad Pro×Adobe」でも紹介したAdobe Lightroom。基本、デスクトップと同じパラメーターが並んでいるので、これらをタップして操作する。Apple Pencilに正式に対応しているわけではないけど、スライダーを動かしたりする操作は可能だ。

他のiOSの画像加工アプリと同じようにフィルターをかけるだけという操作もできるが、「編集」をタップしてトーンカーブを呼び出し、ポイントを増やして色味を変更。他にも写真の周辺光量を落としたりカラーを調整したりと、ある程度の独自調整ができる。

「編集」から一番左の部分をタップしてメニューを呼び出すと色々な加工ツールが表示される

「周辺光量補正」を選んで適用量を選び、ボタン上のスライダーで調整する

部分補正ツールを使うと写真の中で選択した部分だけに加工をつけることもできる。

「部分補正」を選べば左にあるセレクタで範囲指定した部分を調整できる

次にMac用に手頃な画像加工ソフトとしても定番になりつつあるPixelmatorのiOS版。ツールメニューからツールを呼び出して写真を加工する。「エフェクトを追加」でフィルターを適用できるが、「カラーを調整」を使うことで明度や彩度、コントラスト、トーンカーブなどの細かな設定が可能だ。

ツールメニューから加工ツールを呼び出して利用する

「エフェクトを追加」なら簡単にフィルターを呼び出して適用できる

「カラーを調整」で明度や彩度、コントラスト、トーンカーブなどの設定ができる

また「レタッチ」ツールは指でなぞって使うが、ここでApple Pencilを使うと操作性が良くなる。

「レタッチ」ツールは指先でなぞった部分に加工を施すツール。Apple Pencilで操作してみよう

Pencilで写真の中で消したい部分を塗りつぶせば綺麗に消すことができる

そしてもう一本はPicsPlay Pro。こちらでも同じように操作できる。「カーブ」でトーンカーブを変更したり、「ヴィネット」で周辺光量を落としてみよう。

写真を読み込んだあとメニューから「カーブ」を呼び出し、同じようにトーンカーブを修正

「ヴィネット」を使えば周辺光量を落としたりと、他のアプリと同じような加工ができる

このアプリで面白いのは「タイムマトリックス」機能。年代を指定することで写真の質が変わって、その年代にあった編集を行うことができる。フィルターの一種だが他のアプリにはない指定の仕方が面白い。

「FX」をタップして「タイムマトリックス」を呼び出そう

縦軸の数字の部分を上下にスライドすると年代別に違うフィルターが呼び出される。古くなるほどフィルターのイメージが古い写真のようになる

スライダーで効果の強弱を指定可能。多彩なフィルター効果が楽しめる。「比較」ボタンをタップするとオリジナルの写真を表示して見比べることができる

紹介したアプリはどれもApple Pencilの正式対応は謳っていないが操作可能だ。また、指先で操作するより良い部分もあるので、どんどん使っていこう。

プリントアウトしてみよう

加工した写真は写真.appに保存して、iOS用のアプリから呼び出して印刷しよう。iPrintは複数の写真を選択して一度に印刷できる。用紙の指定を行い、フチなしなどレイアウトの指定をして「印刷」ボタンでプリントする。各アプリで加工した写真をそれぞれ印刷してみた。

歯車アイコンで設定を呼び出して用紙やレイアウトの指定を行おう

「印刷」ボタンで印刷が開始される

写真用紙のA4に、各アプリで加工した写真を出力。ほぼ同じ加工をしてもアプリの特性で微妙に風味が変わって面白い

EP-30VAは非常に綺麗な印刷ができる。これはもう印刷というより写真現像に近いレベルだ。実際に印刷してみると、写真に対するイメージもかなり変わる。「作品を作る」という考え方でアプリを使ってしっかり色を調整して印刷まで挑戦してみてはどうだろうか。