第40回 iOS 10で進化するiPad

毎年恒例の9月イベントが終わり、iPhone 7シリーズと新しいApple Watchが発売。iPadは新機種こそ出なかったものの、iOS 10を適用することで機能アップとなった。今回はiOS 10でiPadがどのように変わるのかをレポートしよう。

iPad ProにiOS 10をインストール。見た目で大きな変更はないが、「ホーム」アイコンが追加になっている

広い画面を活かす表示

まず最初に気がつくのが、ロック画面の表示が変更になったことだろう。スリープ復帰時に通知が表示されるのはこれまで通りだが、右にスワイプするとウィジェットが表示されるようになった。ウィジェットは二列になっており、編集して追加、削除が可能。標準アプリ以外にもウィジェットにタイプしたアプリを追加できる。ウィジェットは起動後もホーム画面からさらに左にスワイプで表示可能だ。

ロック画面の表示。以前はセンターにあった日付表示が左寄りになり、通知が表示されている

右にスワイプすると表示されるウィジェット。2列表示で色々な内容を表示する

左列を上にスワイプすると一番下に編集ボタンがあり、タップすることでウィジェットの追加、削除が可能。左右の列のどちらでも配置することができる。ウィジェットに対応するアプリはその下に表示されている

コントロールセンターも2画面になり、ボタン類が大きくなって扱いやすくなった。ミュージック再生時にはアートワークも表示される。

コントロールセンターが2画面になり、スワイプで切り替えるようになった。右側は音楽コントロールとAirPlayの出力先を指定できる

メールの表示もランドスケープ時にMacのメールと同じメールボックスの表示ができるようになった。メールボックスごとに表示を分けることができるので判りやすい。

縦表示では変わらないが、横表示のときは3ペインの表示が可能。メールボックスを指定してメールを確認できるので判りやすい

Safariも2画面を表示できるSplit Viewが利用可能に。開きたいリンクを長押ししてメニューを表示して、Split Viewを選んで表示する。

リンクボタンを長押しするとポップアップメニューが表示されるので「Split View」をタップすると、2画面に分割して表示できる

アプリに追加された新機能

「写真」アプリには新機能が追加されている。「メモリー」と呼ばれるこの機能はライブラリ内の写真を場所、時間などで自動的に分類してアルバム風に見せてくれるもの。撮影場所の地図を使った表示や、自動スライドショーが利用できる。

「写真」アプリの目玉機能 メモリー。日付と場所で自動的に写真を分類して並べてくれるので分類の手間がかからない

アルバムには自動で分類する「撮影地」や「ピープル」が追加された。撮影した写真をできる限り自動で分類できる工夫がされていることがうかがえる。

アルバムの「撮影地」は写真の位置情報を使ってマップ上に自動的に配置する。旅行写真などが分類できて便利

Macの「写真」アプリには付いていた「人々」アルバムがiOSでも「ピープル」として利用可能に。表示もメモリーと同じで自動配置される

また画像編集にマークアップ機能が追加され、画像に注釈をつけることができるようになった。

編集ボタンの中に「Markup」メニューができた。タップすると写真に手描き文字やテキストが追加できる

今回、iOS 10で大きく強化されたのは「メッセージ」アプリ。App Storeから購入したステッカーを使ったり、アプリをプラグインのようにして使うことができる。

ステッカーやアプリはMessage欄の横にあるアプリボタンをタップすると表示される。聴いている音楽もiTunes Storeへの試聴リンクを共有可能

左右にフリックしてステッカーやアプリを切り替える。ステッカーとアプリの区別は現状では無し。一番左のボタンをタップして一覧表示にする

ステッカーやアプリは「+」のStoreボタンをタップすると、App Storeの対応するものが表示される。まだ種類は多くないが、無料で使えるステッカーもある。インストールされたものはアプリボタンで順番に表示され、利用できる。

一覧表示には「+」のStoreボタンがあり、ここからApp Storeを直接呼び出すことができる

「メッセージ」アプリに対応したステッカーとアプリが表示され、ここから追加、購入が可能

ハートのアイコンはApple Watchにも採用されているDigital Touchで、手描きの絵やマークを送る機能。カメラを起動して顔を写した状態で静止画や動画を撮影して送ることもできる。

カメラを使って動画や写真に手描き部分を加えて送ることもできる

メモもフォルダ表示ができるようになり、メールと同じように3ペインに。さらに書いているメモを他の人と共有して利用することができるようになった。

メールと同じく3ペイン表示ができるようになったメモ。フォルダを作ってメモを分類できる

「人を追加」をタップして他の人に参加依頼を送付し、同じメモを一緒に編集できる機能が追加された

他には時計に「ベッドタイム」機能が追加。毎日の就寝時刻、起床のアラームが設定され、それらがリマインダーで通知される。

質問に答えることで就寝時刻と起床時刻を設定して表示できる「ベッドタイム」

「ホーム」アプリは対応する家電品をiPadからコントロールするためのもの。日本ではこれらの分野が少し遅れているため、対応製品も多くないのが残念だ。

Homekit対応の家電をコントロールするための「ホーム」アプリ。対応アプリを追加する必要がある

駆け足で紹介したiOS 10の新機能。まだまだ知られていない機能もありそうなので、もう少し使い込んでからさらに詳しいレビューをしてみたい。