第4回 電子書籍リーダーとして見るiPad mini
ここ数年「電子書籍元年」と言われて久しく、すでにバズワード化しつつある今日この頃。しかし今年いよいよiBookStoreが始まって大手の電子書籍プラットフォームが揃ったこともあり、今年こそ「電子書籍元年」と呼んでいいのではと考えている。そしてそれらを利用する環境として、やはりiPad miniはよい選択肢だと言えるだろう。
まず軽い。画面サイズではiPad miniよりも小さいNexus 7、Kindle Fire HDよりも軽いのだ。これは電車など交通機関で使いたいとき、片手で持って利用するのに扱いやすい。ハードカバー本よりも軽くて薄くてたくさん持ち歩けるという電子書籍の利点を活用する意味でも「軽さは正義」だ。
そしてプラットフォームの多さ。iBookStore、Kindle Store、さらにiOS用の電子書籍アプリなど多くのプラットフォームが利用できる。iBooksで読めないものは他のストアで、あるいはアプリでという使い方がしやすいのはiPad miniだろう。
iBooksは文字の大きさやフォント、テーマなどを変更できる |
字の表示は、Retinaディスプレイじゃないということは確かに読みにくさを感じることがあるかもしれないが、多くの電子書籍アプリは文字の表示サイズを変更することができる。読みにくいと感じたら文字を大きく表示してやればいい。漫画が見開きで読めないのは残念だが、1ページずつなら単行本よりサイズが大きく読みやすいはずだ。
あとは外で使っていると気になる映り込み。特に地下鉄などで使っていると、外の景色などが映り込んで読みにくさを感じることがある。液晶保護シートにノングレア(非光沢)タイプのシートを選んでやれば、映り込みはかなり軽減されて読みやすくなるはずだ。電子書籍リーダーとしてiPad miniを活用したい人は必ずノングレアタイプの保護シートを使おう。
ストアとアプリを見てみよう
さてそれでは、複数あるプラットフォーム、アプリはどのような違いがあるのだろうか。ここではiBookStoreとKindle Store、そして青空文庫リーダーのi文庫HD、さらにApp Storeのブックカテゴリを見てみよう。
Apple謹製で使いやすいiBookStore
アップルが今年スタートしたiBooksはやはり使いやすさがポイントだ。iTunesのアカウントでそのまま利用でき、iPad miniからでも購入できるのでいつでも読みたい本を手に入れることができる。ラインナップも比較的大きな出版社が入っており、新作も早い。100円から読める軽い読み物もある。サンプルとして最初の数ページをダウンロードできるので、購入前にちょっと試し読みが可能だ。
Amazonで買って読むKindleストア
『Amazonショーケース』というアプリを使うとKindleストアにアクセスできる。ここで購入するとKindleアプリに同期される |
Kindleアプリに同期されたところ。洋書も購入できる |
Amazonが運営する Kindleストアは元々AmazonのKindle用のプラットフォーム。iOS用のKindleアプリを提供することでiPad miniでも利用できる。ただしアプリ内から直接Kindleストアに行くことができず、まずWebブラウザから本を購入するとiPad miniへ転送されるという仕組みになっている。iBookStoreとは違うラインナップが楽しめ、さらに洋書に関しては扱いも多く安いのがポイント。「名探偵ホームズ」や「レ・ミゼラブル」など著作権切れの本は無料で手に入れることができる。
青空文庫、ネット小説を読むならi文庫HD
「青空文庫」とは著作権の期限が切れている小説などを公開しているもので、青空文庫形式という書式で書かれていればルビなどがちゃんと表示される。『i文庫HD』ではこの青空文庫から直接ダウンロードできるほか、テキストファイルや画像ファイルなどを読むことができる。例えばネットで公開されているネット小説をダウンロードして読んだり、一時期流行った「自炊」した漫画などを持ち歩くのに適している。
App Storeのアプリにも本はたくさん
App Storeには「ブック」というカテゴリがあり、ここにはiBookStoreにない本などもたくさん提供されている。「ブラックジャックによろしく」や「鈴木先生」などの人気漫画が全巻無料で提供されていたりもする。電子書籍の他のプラットフォームのものもここでアプリとして登録されている。まずはここを覗いてみるところから始めてみよう。