第32回 iPad Pro×ScanSnap iX100で古い写真をデジタル化
さて今回、iPadianがPFUさんにお願いしてモバイルスキャナ『ScanSnap iX100』を借り出したのは一つの目的があった。それは「実家にある古い写真をスキャンしてデジタル化したい」ということだった。
昭和生まれのiPadian、子供の頃の写真はどれもアナログな紙焼き写真ばかり。下手するとモノクロだったりする。昔の写真はアルバムに入れておけばいつでも見ることができるけど、焼き増ししてなければ当然オリジナルは1枚しかないし、それが実家にあったりすると自分では触ることができない。そして陽の目を見ないままいつかは朽ちてしまうかもしれない。
その点、デジタル写真のいいところは、データ化することで保存が容易になり、さらに遠隔地にいる人に送ったりと取り扱いが楽になる点だ。大事な思い出を残しておくために、古い写真をデジタル化したい。そしてせっかく実家に帰省するなら、そこにある写真をデジタル化したいと前から考えていた。
そこで思いついたのが、iOS機器だけでもスキャンが可能なScanSnap iX100を利用すること。これならiPad Proさえ持って帰れば古い写真をデジタル化できるのでは? ということで、年末も押し迫った忙しいときにPFUさんとコンタクトを取り、貸し出しを受けることになったというわけ。ありがとうございます。
さてScanSnap iX100。まずとてもコンパクトで軽い。バッテリー内蔵で400gでメッセンジャーバッグにも簡単に入る。
接続はWi-Fi。iPad ProをiX100のWi-Fiアクセスポイントに直接接続し、専用アプリを起動すればもう準備完了だ。
アプリ画面の[Scan]ボタンをタップするとスキャンが開始される。あとは写真を前から順番に差し込んでいけば、自動的に読み込まれる。写真を差し込む位置は横幅のどこでもよく、縦横も写真に合わせて読み込ませれば良い。
読み込み速度は十分に早くストレスはないが、一度だけデータ転送ができずに止まってしまったことがあった。また、読み込みの解像度はiOSのアプリではカラーだと300dpiまでに制限されている(モノクロは600dpi。デスクトップアプリならカラー600dpi/モノクロ1200dpiまで)。今はプリンタに内蔵されているスキャナでももっと解像度があることを考えると残念だが、本来この製品はドキュメントスキャナであることを考えると仕方ないところか。画素数にすると150万画素程度と、今のデジカメで考えると決して高解像度とは言えないが、それでも結構きれいに読み取ることができた。
画質など各種設定は[設定]ボタンから行おう。読み取られたデータはiPadの写真ライブラリにも保存できるので、iCloudフォトライブラリを使っていれば自動的にiCloudに保存され、他のiOS機器やMacでも共有できるようになるのも便利だ。
扱いやすいiX100だが弱点もある。まず一番気になったのはバッテリーでの稼働時間だ。起動して読み込みを始めて30分程度でバッテリー残量が10%程度になってしまう。写真をセレクトしながら読み込ませるとあっという間だ。もう一つはWi-Fiの接続が不安定なのとアプリの動作不良。Wi-Fiに上手に繋げなかったり、繋がっているのにアプリが認識しなかったりということが何度かあったのはこの手の機器にはよくあることとはいえ使用者は混乱しそうだ。
そしてもう一つ、これはiX100の方ではなく読み取る写真を準備する段階での問題点。昔の俗に言う「フエルアルバム」に写真を整理している場合、台紙が糊付けになっていて写真が剥がせないことがある。あるいは剥がしてしまうときに写真が破れてしまったりするので、かなり気を使う。結局取り込みを諦めたりした写真がたくさんあった。これはやはりデジタルカメラで上から撮影すべきなのかもしれないが、スキャナほど簡単かつ綺麗に取り込めないのも事実。このへんはもう少し検討したい課題だ。
さてそんな感じで自分が生まれたときの写真や幼少時代、学生時代などの写真を数十枚取り込んでみた。小学生時代の写真を家族で見ながら、「あのときはああだったねぇ」なんて昔話に花が咲いたのは嬉しい余禄。やはり写真は色々な記憶を呼び覚ますとても良いアイテムだ。
しかしさすがに40年前の写真、色あせていたり汚れていたり傷が入っていることもある。もう少しなんとかならないかなぁ……ということで、iPad Proで加工してみよう編に続く。