第16回 iPad miniと行くミニマムな旅 旅情編

さて旅行当日……仕事を持って行かないつもりでそれまでに済ませておきたい仕事を片付けたり、準備編にあるものをいろいろ検討したりしていて寝たのは朝5時。9時には起きて軽く食事を済ませて出発!……さすがに眠い。

東京─箱根はやはりロマンスカー。車内ではKindleで購入して読んでいる本の続きを読む。電子書籍が便利なのは、iPhoneとiPadで端末を切り替えても、その続きから読める点だ。普段、人の多い電車内ではiPhoneで文字を大きめにして、ゆっくり座って行ける旅ではiPadでといった使い方ができるのはとても便利。miniは片手で持ってちょうど良い、文庫本を持っている感覚だ。

……とはいえ、やはり睡眠不足はいかんともしがたく、十数ページ(Kindleの場合、全体の何%という表示になる)進めただけでダウン。ああ、もったいない。

片手で扱えるiPad miniで読書はとても快適。文庫本を持っている感覚だ

箱根湯本に到着して事前に調べていたカフェでお昼ご飯、登山鉄道でスイッチバックを体験しつつ宮ノ下まで登って富士屋ホテルと、箱根観光ではよくあるコースを辿る。『Nikon1 J3』は案外良く写るカメラで、簡単に背景ボケを入れたり、パノラマや逆光モードも使える。ただ最近のカメラに良くあるWi-Fi機能がない(次のJ4からは搭載されるらしい)。

しかしそこはiPadian、ぬかりなくJ3にWi-Fi機能を「追加」すべく用意していたのが『Eye-Fi Mobi』。Eye-Fiは記録媒体にSDカードを使うデジカメやビデオカメラに挿すだけで、そのカメラで撮影したものをWi-Fiで飛ばすことができるもの。Mobiはスマートフォン用に特化したタイプで、JPEG画像だけをスマートフォンのアプリと繋いで送ることができる。

スマートフォン専用のEye-Fi mobi。Wi-Fi機能のないカメラでWi-Fi転送を可能にする

デジカメの撮影モードをRAW+JPEGに変更しておけば、生データのRAW画像はそのまま(こちらは帰宅後にMacに転送)に、JPEGフォーマットのものだけをiPadに送ることができる。

Eye-Fiが出しているWi-FiをiPad miniで受信した状態でアプリを起動すれば、撮影したデータを自動的に転送する。アプリを起動したままで撮影すればリアルタイムで転送されてくる。

データ通信時にはまず、Wi-Fiの設定をEye-Fiの無線に接続する。その上でアプリを起動すれば、撮影されたデータが自動的に転送される

移動中のバスでEye-Fiを使って転送中。転送速度はまぁまぁといったところ

転送したデータはカメラロールに入るので『iPhoto』や『Lightroom Mobile』で加工してツイートできる。Retinaディスプレイを使った加工は楽しい。ちょっとだけ自分が上手くなったような錯覚を受ける。加工したデータはそのままTwitterやFacebookにアップしよう。

iPhotoで画像加工中。そのままTwitterやFacebookにアップできる

共有ボタンを押してメールで送ったり、SNSに投稿して旅行先気分を誰かと共有しよう

宿泊先は仙石高原のプチホテル。Wi-Fiが来ているはずだったが、部屋の奥に入ると結局反応せず……やはり思った通り。なのでiPhoneからテザリングでiPad miniを接続して利用する。ちなみに仙石高原のホテルはソフトバンク、ドコモとも3G。これもある意味予想通りだったが、それでも繋がってればいいか。

iPad miniをドコモのiPhoneでbluetoothでテザリングして計測。まぁあまり大きなデータは扱わないからいいか……

晩ご飯は美味しいフルコース。ワイン1本を空けてしまい、気が付いたらソファーで寝ていたというていたらく……。もっともそのあと目が覚めて、眠くなるまでまたKindleで本を読んでいたわけだが。ちなみにKindleの便利な点に「暗がりでも読めること」がある。これは案外使ってみないと分からない利点だが、背景色を黒、文字を白にすると部屋の電気を暗くしたままでも周りに気を遣うことなく本を読むことができる。

前夜寝てないのもあって30分ほどで再び就寝……ああ、映画が見られない……。

ソファで爆睡の図。この姿勢のまま1時間以上も寝てたらしい……(もちろん記憶にございません)

目が覚めてから暗い部屋で読書するのにこの画面モードを利用。光が漏れないので暗がりでも気兼ねしなくて良い

翌朝はバスで移動開始。前日バス停でiPad miniを使って時刻表を撮影しておいたので予定通りに出発できた。iPad miniのカメラは決して高画質ではないが、この手のメモを取るためのカメラとしてはとても優れている。道中の目印や時刻表、看板のチェックなどに利用しよう。

そしてやっぱり優れているのはマップ表示。海賊船に乗って移動しても、確実に位置がわかるのはとても便利だ。個人的に方向音痴を自認するiPadianも、いつでもマップがあれば迷うことは……少ない(小声)。

撮影した時刻表。これひとつあるだけで余裕を持って行動できる。Webで調べるより早くて便利だ。観光地の見取り図や案内板なども撮影しておくと良いだろう

iPadのマップ表示は画面も広くて使いやすい。自分がどこにいるかが分かるのは旅先ではとても重要だ

さてロープウェイで大涌谷へとまた定番観光コース。黒い温泉卵を食べて記念撮影を……と、ここで使ったのが『スマホ de チェキ』。これ、スマートフォンと富士フイルムのインスタントカメラ『チェキ』のプリンタ部分だけをもった機器「instax SHARE SP-1」を接続できるもので、iPhone、iPadに対応している。

富士フイルムの『instax SHARE SP-1』。乾電池駆動なので持ち歩いて印刷が可能だ

撮影してカメラロールに入っている写真を使うこともできるのだが、ここで使いたかったのはリアルタイムテンプレート。この製品は印刷時にテンプレートを使って文字を書き込んだものを印刷できるが、リアルタイムテンプレートは現在地の情報をネットから取得して自動的に挿入するもので、撮影後5分しか使えないという現場でしか撮れない感がポイントだ。

今回はiPhoneで撮影してプリンタに転送、印刷したわけだが、ここで気になったのはWi-Fiの通信部分の切り替えがイマイチ上手くいかないこと。リアルタイムテンプレートを使う場合はネットから情報を持ってくる必要があるが、プリンタに繋いでいるとWi-Fi経由でデータ通信をしようとしてイマイチ上手くいかないことがあるようだ。

場所とその日の天気、温度などをネット情報として取得する。まず写真を撮ってこのテンプレートを摘要したあとでSP-1と接続するなどの工夫が必要だ

実際に印刷した写真はこちら。印刷して2日くらいで安定した色味になる。複数枚印刷することもできるので、友達と行った旅行で写真をその場でシェアするのにも便利だ

帰宅後は撮影した写真を転送したり、iPad内で加工したりして余韻を楽しもう。遠くにいる友達や家族にはiPhotoのWebジャーナル機能を使って写真を見せてあげてはどうだろう。

写真や地図、テキストなどを並べた簡単なWebページを作ることができる「Webジャーナル」機能。iCloudを使って友人に公開可能だ。遠くに住んでいる両親などに写真を見せてあげよう

こうして一泊二日ののんびり旅は終了。帰りのロマンスカーでも爆睡して、結局映画を見ることができなかったのは×。まぁその分旅行を楽しんだってことで、いいか。

旅は知らない街の景色や美味しい料理なんかを楽しむことが一番だけど、iPadやその他の電子機器を活用するといろいろな面で便利だったり楽しかったりするのは間違いない。自分なりの活用を考えてみよう。

さぁ、続くGWもどこかに行くぞー!(<仕事あります、無理です)