健康管理の一環として関心が高まっている「腸活」。バランスのよい食生活や適度な運動など腸内環境を整えることによって、体調や肌、ダイエット効果が期待できます。

今回、マイナビニュース会員に「腸活をしていますか(していましたか)?」と質問したところ、約6割が「はい」と回答。また、「はい」と回答した人に腸活方法について聞いたところ、「腸に良い食事をする」「ストレッチや軽い運動をする」「腸マッサージ」「腸活サプリ」などの回答がありました。しかし、「そもそも何から始めたらいいのか分からない」「この腸活方法で合っているのか」など、悩みを抱える人も多いようです。

そこで今回は、マイナビニュース会員から腸活に関する悩みを募集し、濵﨑クリニック 濵﨑秀崇先生にお答えいただきました。

腸活に良い食べ合わせを教えてください。また、悪い食べ合わせやとりすぎは良くないものがあれば教えていただけますでしょうか? (女性/42歳)

濵﨑先生:腸内細菌叢を整える代表的な食べ物は食物繊維・オリゴ糖・発酵食品やヨーグルトなどです。

食物繊維とオリゴ糖は善玉菌の栄養になるもので、これらが多く含まれている食品(海藻類、きのこ、ごぼうや大豆、バナナなど)を摂ることを「プレバイオティクス」といいます。発酵食品(味噌、納豆)やヨーグルトには乳酸菌やビフィズス菌などが含まれており、腸内細菌のバランスを整えてくれます。これを「プロバイオティクス」といいます。この2つを組み合わせるとより良い効果があるかもしれません。たとえば、ヨーグルト+バナナ、ヨーグルト+アボガド、納豆+玄米ご飯、なめこ+味噌汁などです。最近では「地中海食」と腸内細菌叢の関係が注目されていますが、科学的根拠は未だ十分とは言えません。

参考文献:Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2022;25(6):443–450. Crit Rev Food Sci Nutr. 2022. [Epub ahead of print] doi: 10.1080/10408398.2022.2057416.

一般的に、脂質の多い食事が腸内環境を狂わせると言われています。砂糖と塩をふんだんに使った加工食品(ファストフード)や果糖ブドウ糖液糖(コーラなどのソフトドリンク)、乳化剤などの添加物、お酒も腸内環境に悪い影響があります。また、抗生物質は腸内細菌のうち善玉菌も減らしてしまいます。必要のない抗生物質の使用はやめましょう。できるだけ、ここに挙げた食べ物を組み合わせないようにしましょう。腸内環境が悪いと、アレルギー性疾患、過敏性腸症候群、糖尿病、腎臓病、うつ病、認知病などの病気の発症と関係すると言われています。しっかり腸活を続けましょう。

参考文献:Clin Nutr. 2019;38(6):2504-2520.

監修ドクター:濵﨑 秀崇先生

東京大学理学部卒、広島大学医学部卒。国立国際医療研究センター病院・国府台病院を経て、2017年4月より濵﨑クリニックに勤務。糖尿病を専門に、内科疾患および内分泌疾患を幅広く診療している。


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