2歳半からの積木遊びは、大きなビルや街などという構造的・構成的なものができるようにもなっていく。そして、ジョイント棒を使って形と形をくっつけて遊ぶことも自在にできるようになる。最終回となる今回は、ジョイント棒を使ってできる積木遊びを「童具館」の和久洋三館長に聞いた。
積木をつないでジェットコースター
「童具館」が提案するジョイントできる積木は2種類。ひとつは細いジョイント棒でパーツをつないで遊ぶ「くむくむ」。もうひとつは専用ドライバーとネジを使ってレールなどが作れる「クムンダ」だ。開発当初は4,5歳用にと考えていたようだが、子どもによっては2歳でも器用に使いこなすこともあるという。とはいえ、子どもにとってネジを回して積木をつなぐことは簡単ではない。はじめは親が形を作ってあげ、遊び方の一例を示すといいと和久館長。
「くむくむ」6万5,100円。細いジョイント棒で飛行機やテナガザル(右)などが作れる |
「クムンダ」7万1,400円。カーブレールをつなげばサークル状道路(右)が作れる |
特に男の子の場合、クルマや汽車を走らせるレール遊びに興味を持つことが多い。そんな遊びに「クムンダ」はぴったりだ。カーブレールを一方向に接続してサークル状の道路を作り、円柱を立てて高架にする。すると、子どもひとりが入れる環状線ができあがる。また、カーブレールを波形に長く接続し、円柱を支柱にするとジェットコースターを作ることができる。セットされた「クムンダカー」を走らせれば、思いがけないスピード感が楽しめるのだ。
「クムンダ」と「くむくむ」は一緒に遊べるように45mmの基尺に合わせて作られている。「クムンダ」でレールができたら、「くむくむ」を使って周りにビルや家などを作ってみよう。遊園地や都市ができあがる。レールの設置は親が、周りの建物群は子どもがというように、分担作業をするのもいいだろう。
作った積木は写真に収めて「積木作品集」を作る
最後に積木遊びの楽しみ方について、和久館長にうかがってみた。
「子どもは豊かな想像力を膨らませ、作っている端からどんどん作品を変化させていきます。『汽車を作ろう』と始めた遊びが、最後には2部屋にまたがる超大作になるということもあるでしょう。そこでまた新たな積木の面白さを子どもは発見するはずです」。
また、「和久洋三のわくわく創造アトリエ」の積木で遊ぶ時間では、子どもを差し置いて親が積木遊びに夢中になる、という姿を見ることがしばしばあるという。
「積木遊びは親も一緒に楽しむということが大切です。作った積木は写真に収め、『積木作品集』を作るといいでしょう。子どものみならず親にとってもいい記念になりますよ」。
プロフィール : 和久 洋三(わく ようぞう)
童具館館長、童具開発研究所WAKU所長、「和久洋三のわくわく創造アトリエ」主宰。1968年に東京芸術大学院終了後、フレーベル館にて遊具開発、保育園にて保父を体験するなど童具の創作・研究を経て、1989年に童具館を設立。同年に「和久洋三のわくわく創造アトリエ」を開設し、子ども創造教育に取り組んでいる。開発した玩具はドイツで「優良玩具選定」を受けるほか、『遊びの創造共育法(全7巻)』『子どもの目が輝くとき』(ともに玉川大学出版部)などを執筆している。
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