あなたは、家出をしたことはあるだろうか? 学校に行くのが嫌で、家で母親に怒られて……『家出』が頭をよぎった人、もしくは夜遅くまで家に帰らず親が探しに来たという人もいるかもしれない。そのように、『家出』と聞いて多くの人が幼い頃に記憶を遡らせたことだろう。しかし今、働き盛りの20~30代の『オトナ家出』が増加している。ここでは、調査実績44年の老舗で人探しに定評のある「原一探偵事務所」の探偵に、本当にあった『オトナ家出』の例について話を聞いた。
Case3:中堅社員Cさんの家出
家出失踪人:中堅社員Cさん(男性・30代前半)
依頼人:家族
仕事が忙しく、また夫婦仲も悪化しており、それらに思い悩んで半年前には自殺未遂を計ったこともあるCさん。ある日、両親や家族に別れを告げる置き手紙を残し、失踪した。自殺の危険性も考えられることから、家族は探偵事務所に調査を依頼。
自宅近辺の捜索はもちろん、Cさんが住む県内の自殺の名所と呼ばれる場所にも人員を派遣し、急ぎの調査が行われた。すると、とある観光地でCさんの目撃情報を入手。すぐさま同地に駆け付けると、夕暮れの山中を歩行するCさんの姿を発見した。獣道を進んでいくCさんの姿に自殺の危険を感じた探偵は警察に通報。無事、保護するに至った。
Cさんが持っていたバックの中には、自殺に使用するために購入した縄が発見された。
◎探偵コメント
「置き手紙が残されていたり、財布や携帯などを所持していない場合などは、自殺の危険性が高いです。そういった家出失踪人は、失踪の当日もしくは翌日に命を絶つことが多いので調査は一刻を争います」
Case4:既婚女性Dさんの家出
家出失踪人:Dさん(女性・30代後半)
依頼人:夫
夫婦ともに会社員で、共働きで忙しい日々を送りながら3人の子を育てるDさん。ある日、夫がいつも通り自宅に帰宅すると、妻のDさんと子どもたちの姿がなかった。妻は以前にも家出したことがあったため、しばらく待ってみたものの、何度携帯に連絡しても音信不通で心配になり、失踪から3日後に探偵事務所に調査を依頼した。
自宅近辺の捜索を行ったものの、有益な情報が得られなかったことから、夫の了承を得てパソコンのインターネット履歴を調査。すると、ある男性とSNSで頻繁に連絡を取り合っていたことが判明。探偵が男性の自宅前にて張り込みを行ったところ、Dさんと子どもたちが出入りする姿を目撃した。
夫にその旨を連絡し、Dさんと子どもたちを自宅に連れ戻した。DさんはSNSで知り合った男性と不倫関係となっており、それゆえの駆け落ちとも言える失踪であった。
◎探偵コメント
「女性に関しては、このように不倫や駆け落ちなどの理由で失踪してしまうケースも少なくありません。また、DVやストーカーなどの行為を繰り返す交際相手(もしくは元交際相手)から逃げるために失踪するということもあります」
このように、現在増加の傾向にある『オトナ家出』だが、実際に探偵たちはどのように調査・捜索をしているのだろうか? 次回は、「これがプロの『オトナ家出』の探し方」をテーマにお届けしたい。