『秘密戦隊ゴレンジャー』の誕生以来、30年以上にわたって根強い人気を誇っている東映のスーパー戦隊シリーズ。その最新作『侍戦隊シンケンジャー』は、戦隊シリーズ史上に残る異色傑作となっている。今回紹介する高梨臨は、そのシンケンジャーに登場するシンケンピンク(白石茉子)役として活躍中の若手美人女優だ。

1988年12月17日生まれ。千葉県出身。A型。身長166cm、スリーサイズはB83・W62・H86。『侍戦隊シンケンジャー』にシンケンピンク役に抜擢され、注目される。ほか映画『GOTH』(2008年)に出演、『めざましテレビ』(フジテレビ系)ではレギュラーリポーターを務める(~2009年3月)など、幅広く活躍中。趣味は、バドミントン、読書、音楽鑑賞、特技は書道、歌。オフィシャルブログ『Strawbe Rin

シンケンジャーとは、300年以上も昔から外道衆(妖怪)と代々戦い続けている一門の末裔で、シンケンレッドが殿様の家系、残りの4人はその家臣の子孫という設定になっている。戦隊シリーズにしては珍しく、メンバーの中に厳然としたヒエラルキーが存在するのだ。しかし冷静沈着で包容力があるツンデレお姉さんキャラのシンケンピンクだけは、シンケンレッドと心理的に対等な立場にいるようで、会話はいつも"タメ口"。キャプテンとしての方向性に悩むシンケンレッドに対してアドバイスを与えることもあったりする。

凛としたクールな存在感のある高梨臨は、そんなシンケンピンクの役がよく似合っている。たまに戸田恵梨香が戦っているように見える時もあるくらいなので、正統派アイドル女優としてのポテンシャルも高いはずだ。来春にシンケンジャーを卒業した後は、さまざまなメディアで彼女の活躍する姿を目にする機会が増えるだろう。

ところで昨年の『炎神戦隊ゴーオンジャー』では、ゴーオンジャーのメンバーである逢沢りなと杉本有美が、悪の幹部役の及川奈央と手を組んで番組内で「G3プリンセス」というアイドルユニットを結成し、CDデビューを果たして話題を呼んだ。したがって当然今年は高梨臨がシンケンイエローの森田涼花、そして悪の女幹部と組んでアイドル歌謡を歌うものだとばかり思っていたのに、残念ながら今のところそうした動きは見られない。

しかしそれも無理はないだろう。明るい能天気キャラだった昨年の及川奈央とはうってかわって、シンケンジャーにおける悪の女幹部である妖怪「薄皮太夫」は、子供番組の常識を超えた重度のトラウマ系。もともとは人間で、愛する男が自分を裏切って違う女と婚約したために結婚式に乱入して参加者を皆殺し。怒りと悲しみで外道に堕ちる際、愛するあまり男を殺すことが出来なかったので生きたまま三味線に変え、妖怪になった今も常に肌身離さず大事に抱えて世にも悲しい音色をかき鳴らす。そんな真性オカルトミュージシャンと組んでアイドル歌謡など歌えるわけがない。

とはいえ、もし高梨臨が薄皮太夫と共に犬神サーカス団のような和製デスロックを歌ったら、それはそれで聴いてみたい気もする。

真実一郎(しんじつ いちろう)

サラリーマン、ブロガー。ケータイサイト『モバイルブロス』、雑誌『Invitation』などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。ブログ「インサイター