リーマンショック以降の不況の影響で、就職氷河期が再来しているという。同様に、マスコミ不況・雑誌不況の煽りを受けて、グラビアアイドルの活躍の場が急速に失われつつあり、新規参入者にとっては冬の時代が到来している。オスカープロモーションに所属する20歳の女子大生・一双麻希は、そんなグラビア氷河期に登場した、もっと脚光を浴びてもいい逸材だ。

一双麻希(いっそう まき)
1989年3月15日生まれ。石川県出身。O型。身長168cm。スリーサイズはB84・W57・H87。現役女子大生のグラビアアイドル。2007年にJSAのキャンペーンガールに選ばれ、本格デビュー。2009年3月には「K-1イメージガール」に起用される。自身曰く「胸の形と鍛えているウエストのクビレには自信あり」とか。特技はバレーボール。趣味はカラオケ。公式ブログ『オスカープロモーション グラビアアイドルブログ 一双麻希』。

黒目がちな瞳、濡れたアヒル唇、バランスのとれた美巨乳、うっすらと浮き出た腹筋、引き締まった下半身。もう今すぐメジャーで通用する即戦力だ。ヤンマガとかヤンジャンを飛び越えて『BRUTUS』とか『東京カレンダー』の表紙を飾っていいレベル。特に注目したいのはそのバストで、Dカップなのに威圧感がない、目立つのに暑苦しくない、大胆にして慎ましやか、いわば"小さな巨乳"とでも言うべき独特のアンビバレンツな魅力を放っている。さらには麻雀の役満を彷彿させる、縁起の良さそうな名前までもが素晴らしい。あらゆる点で完成度が高い。これはもうゆとり教育の最大の収穫だ。

これほどの逸材が何故まだ十分に注目されていないのか。それは出版不況によってグラビアのページ数が減少しているから、だけではない。その限られたスペースを、00年代半ばのグラビアアイドル全盛期、いわばグラビア・バブル期に登場したベテランたちが、いまだに後進に道を譲る気配もなく占拠しているからだ。2008年以降にデビューした新人の多くは、世に出るのがほんの少し遅かったというだけでグラビア・バブルの後始末を押しつけられ、不利な労働環境下で活動しなければならないのだ。このような不平等が固定化してしまうと、氷河期世代のグラビアアイドル達がグラビア界の流動化を求めて「希望は戦争!」、「丸山真男をひっぱたきたい!」と先鋭化しかねない。

一双麻希には、そうした殺伐とした世代間闘争に巻き込まれることなく、正当な評価を得るチャンスを獲得してほしい。幸いにして彼女には同じオスカーの先輩に、既に知名度が十分なグラビア女王の原幹恵がいる。例えばこの2人にタッグを組ませてみたらどうだろう。もし実現すれば、バッファローマンとモンゴルマンの2000万パワーズにも匹敵する無敵の相乗効果を発揮するはずだ。とにかく事務所側は一双麻希に一層注力してほしい。

真実一郎(しんじつ いちろう)

サラリーマン、ブロガー。ケータイサイト『モバイルブロス』、雑誌『Invitation』などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。ブログ「インサイター