明るい話題に乏しかった2009年もあと僅か。不況の影響で今年は東京モーターショーのコンパニオンまでなんだか地味でしょんぼり華が無い。このままデフレスパイラルに突入してユニクロが国民服になったりするんだろうか。レディー・ガガみたいに景気のいいパーティーガールは日本にはもういないのか。と思ったら、いた。それがSHANADOO(シャナドゥ)だ。

福田淳子(JUN)、渋谷千賀(C'k)、福愛美(Rose)、源田マリナ(MARINA)による4人組ユニット。グラビアアイドルとして全日本GT選手権などで活躍していた福田、渋谷、福の3人に源田を加え2006年にデビュー。ニューアルバム『Launch Party!!!』が11月25日に発売される。オフィシャルサイト

SHANADOOは4人組の女性ユニットで、4人ともジャパニーズであるにもかかわらず、2006年になぜかドイツでデビュー曲「KING KONG」を発表。ガイジンが期待するアジア女性イメージを踏襲したメイク(森理世的な…)、日本語の歌詞、カタカナ発音の英語、そしてパラパラダンスというエキゾチックなキャラクターがバカ受けして、ドイツのヒットチャートで15位にランクイン。その後もヨーロッパを中心に「'00年代のフランク・チキンズ」的な活躍を続けている。その彼女たちが、いよいよ本格的に日本凱旋を果たすのだ。

11月25日に日本で発売するアルバム『Launch Party!!!』では、従来彼女たちが得意としてきたパラパラサウンドは影を潜め、クラブ仕様のエレクトロが中心になっている(くるりのカバー曲『World's End Supernova』も収録)。ビジュアルも一流のスタイリストとフォトグラファーを起用してバージョンアップされ、ゴージャスで奇抜なパーティーガールとしての完成度が高まった。近未来SF映画のバーのステージでバキバキ踊ってそうな感じだ。

メンバーであるJUN(福田淳子)とRose(福愛美)は、もともとはグラドル・バブルといわれた00年代前半に活躍した人気グラビアアイドルだった。過酷なグラドル生存競争を生き抜き、言葉の通じない海外で修行を重ねただけに、物怖じしないセクシーさが板についている。苦労に裏打ちされた自信溢れるそのパフォーマンスとナイスバディで、ぜひともこの不景気を吹き飛ばすくらいの派手なパーティー旋風を起こしてほしい。などと言って吹き飛ぶほどの生易しい不景気ではないところが悩ましい。

真実一郎(しんじつ いちろう)

サラリーマン、ブロガー。ケータイサイト『モバイルブロス』、雑誌『Invitation』などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。ブログ「インサイター