まさに国民的な規模の話題を振りまいた第3回AKB48選抜総選挙。「ネ申7」と呼ばれる不動の上位7人の牙城に柏木由紀が食い込み、「ネ申8」になってしまったことも記憶に新しい。そんなネ申たちを近い将来脅かしそうな上昇株が、今回紹介する大場美奈だ。
大場美奈 |
『有吉AKB共和国』(TBS系)や劇場ライブでの毒舌キャラで頭角を現した大場美奈は、研究生(現在はチーム4)の身でありながら、今回の総選挙で見事35位にランクインを果たした。『小説宝石』7月号(光文社刊)に掲載されたインタビューでは、過去に何度もAKBのオーディションに落ちた「アイドル浪人時代」のエピソードが語られるなど、AKBメンバーとしては遅咲きの19歳。バラエティー向きのキャラクターが注目され、一部では「ポスト峯岸みなみ」とも言われている。
しかし彼女の真の魅力は、身長150cmというミニモニなサイズからは想像できないほどのナイスバディにある。今年5月にアイドル雑誌『UTB+』(ワニブックス刊)に掲載された初の単独水着グラビアでは、これまでベールに包まれていた立派な巨乳を披露。ネットで大きな反響を巻き起こした。以前はもっとコロコロとした体型だったらしく、自ら「コロちゃん」というニックネームを名乗っているけれど、現在は出るところは出て引っ込むべきところは引っ込んだグッドシェイプ。昭和風に言えばトランジスタ・グラマー。もともと目が大きくシュッとした感じの美人顔なので、グラビアではそのフォトジェニックぶりを遺憾なく発揮し、グラビアアイドル顔負けの輝きを放っている。
AKB48一派は、いまや独占禁止法に抵触しそうな勢いで漫画誌やコンビニ誌のグラビア誌面を占拠しつつあるけれど、グラビアアイドルと比して遜色のない成熟した肉体を持つメンバーは、小嶋陽菜や篠田麻里子などごく一部に過ぎない。未成熟性がグループの持ち味なので無理もないこととはいえ、従来のグラビアアイドル・ファンのニーズはすくいきれていなかった。そこで一気に躍進したのが、メンバーの中で最もグラビア的なバストの持ち主、柏木由紀だ。活躍の場が劇場からテレビ、そしてグラビアへと拡大したAKBにおいては、「巨乳」というのは大きな差別化ポイントになり得るのだ。
コンサートや握手会といった現場に行けず、アイドル番組もそんなに見ない、そんなライトなアイドル・ファン層=マジョリティにとっては、コンビニで売られる雑誌やネットで目にするグラビア画像こそが「現場」だ。従って、激化するAKB内の生存競争においても、グラビア対応力は今後一層問われることになるだろう。そうした意味において、大場美奈は「ポスト柏木由紀」に成り得る身体的なポテンシャルを秘めている。
真実一郎
サラリーマン、ブロガー。『SPA!』(扶桑社刊)、『モバイルブロス』(東京ニュース通信社)などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。著書に『サラリーマン漫画の戦後史』(洋泉社刊)がある。ブログ「インサイター」