桐谷美玲、武井咲、広瀬アリスといった旬なスターを続々と輩出し、いまや「アイドル女優虎の穴」と化しているファッション誌『SEVENTEEN』。今回紹介する有末麻祐子もまた、同誌の専属モデルとして活躍している逸材だ。

有末麻祐子(ありすえ まゆこ)
1992年1月25日生まれ。埼玉県出身。B型。身長166cm。『SEVENTEEN』レギュラー専属モデルを務めるほか、『仮面ライダー○○○(オーズ)』(テレビ朝日系), 『レコ☆Hits!』(日本テレビ)にレギュラー出演中。特技は、テニス・習字、硬筆 拡大画像を見る

ティーンのカリスマである彼女が一般層からも注目される契機になったのが、人気特撮番組『仮面ライダーオーズ/OOO』へのレギュラー出演。ここで彼女は謎の財団「鴻上ファウンデーション」の会長秘書、里中エリカを演じている。けだるく無気力なようでいて実は冷静沈着、何事にも動じない有能な秘書として、美脚も露わなミニのスーツを着こなすその姿からは、とても19歳とは思えないミステリアスな色気と風格が漂っている。また、実は超人的な身体能力の持ち主という設定なので、主人公がピンチになると黒いライダースーツに身を包んでバイクで駆けつけ、スタイリッシュなアクションで大活躍。「自分にも里中クンみたいな美人で有能な秘書がいたら…」と白昼夢を見るお父さんたちが急増している。

里中クン目当てでこれから初めて『仮面ライダーオーズ/OOO』を見る人のために説明しておくと、この物語のテーマはズバリ「欲望」だ。主人公の青年は物欲がなく、パンツ一枚あれば生きていけるからお金なんていらない、それよりも人助けがしたいと考える、いわゆる「嫌消費」世代代表。対する敵は「グリード」と呼ばれる怪人たちで、人間の欲望が元となり生み出された「オーメダル」を集めて完全体となり、人間たちを支配しようと目論んでいる。鴻上ファウンデーションはこの両者とコンタクトを取り、効率よくオーメダルを集めようとしている組織で、いまだにその真の狙いは謎に包まれている。

さまざまな欲望が入り乱れる中で、唯一まだその欲望が見えてこないのが里中クンというキャラクターだ。果たして彼女はなにか重要な役割を担っているのか、あるいは実は究極のグリードなのか、あるいはオヤジの白昼夢なのか。そんな深読みを楽しみつつ、有末麻祐子のアンニュイな演技と美脚を見守っていきたい。

真実一郎

サラリーマン、ブロガー。『SPA!』(扶桑社刊)、『モバイルブロス』(東京ニュース通信社)などで世相を分析するコラムを連載。アイドルに関しても造詣が深く、リア・ディゾンに「グラビア界の黒船」というキャッチコピーを与えたことでも知られる。著書に『サラリーマン漫画の戦後史』(洋泉社刊)がある。ブログ「インサイター