入社1年目で知っておきたい「ビジネススキル」とはどのようなものでしょうか? 時間管理やコミュニケーション、PCスキルなど、会社や業界を問わず、身に着けておくと役立つスキルをチェックしていきましょう。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクターであり、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを行う木部智之氏の著書『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より、一部を紹介します。
最終回・第17回は、「『鋼のメンタル』は経験次第で誰でも手に入る」です。
「鋼のメンタル」は経験次第で誰でも手に入る
おそらくみなさんは、仕事のプレッシャーにおしつぶされそうになったり、お客様からのクレームやお叱り、上司や先輩からの指摘などを受けるたび、「自分はメンタルが弱い」と、落ち込むことが多いのではないかと思います。
初めからメンタルが強い人などいない
私も、自分自身ではメンタルは弱いほうだと思っていました。
しかし、周りからは「いや、強いでしょ」と言われます。このように、多くの人はつねに、客観的に自分を見ることが難しい上、恐れや不安の中で仕事をしているので、自分はメンタルが弱いと思い込んでいるのです。
私がこれまでに出会ってきたスゴいリーダーたちも、端から見ていたときは、「メンタル強いなぁ」「さすがだなぁ」と感じていました。しかし、実際に話をしてみると、みな、恐れや不安を抱えながら仕事をしているのだと知ったのです。
私は、メンタルは鍛えるものだと思っています。スゴいリーダーたちもみな、仕事を通してメンタルを鍛えてきたのです。周りから見て、「あの人は、メンタルが強い」と思われている人であっても、それは鍛錬を積み重ねてきた結果そうなった(そう見えている)のであって、初めから鋼のメンタルを持っている人などいません。
ストレスとプレッシャーまみれのPM時代
私が最初に強いプレッシャーを感じたのは、入社3年目でシステム開発のプロジェクトマネージャー(PM)を任されたときです。
そのプロジェクトは20人規模、お客様には私よりも年上の課長や部長がいて、プロジェクトメンバーもほとんどが私よりも年上です。自分が一番の若手であることは明白でしたが、PMである以上、QCD(品質・コスト・納期)の全責任を負わなければいけませんでした。
そのときは、「全責任は自分にある」というプレッシャーにおしつぶされそうで、プロジェクトが終わるまでは、胃に穴があくのではないか、というくらいのストレスを感じていました。
その後も、大炎上トラブルプロジェクトを担当することが続き、最大で600人規模のプロジェクトグループをリードしたこともありました。本当に逃げたくなるような局面の連続で、ストレスで胃液が多くなり、胃が痛くなることもしばしばでした。
苦しんだ経験もプレッシャーも、すべて血肉になる
しかし、その一つひとつを何とか踏ん張り、乗り越えて「今」があります。ひとついえることは、乗り越えたレベルのプレッシャーは、もうプレッシャーではなくなる、ということです。
多くの経験知を得た今では、最初に苦しんだ20人規模のプロジェクトでは、ストレスやプレッシャーを感じることはありません。
メンタルは鍛えられるものです。今、不安でストレスを感じていることでも、乗り越えればそれは「できる」ものに変わります。
そして、次のレベルの不安とストレスがやってきて、また乗り越える。その一歩一歩を繰り返すのです。
スゴいリーダーたちはみな、そうやって、強いメンタルをつくり上げていったのだと思います。
みなさんも、今苦しいこと、プレッシャーはすべて自分の糧かてになると信じて、目の前の仕事に取り組みましょう。
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