入社1年目で知っておきたい「ビジネススキル」とはどのようなものでしょうか? 時間管理やコミュニケーション、PCスキルなど、会社や業界を問わず、身に着けておくと役立つスキルをチェックしていきましょう。
デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 ディレクターであり、社内外でビジネススキルに関する研修やセミナーを行う木部智之氏の著書『入社1年目のビジネススキル大全』(三笠書房)より、一部を紹介します。
第13回は、「雑談で終わらないブレストの進め方」です。
雑談で終わらないブレストの進め方
「よし、みんなでブレストしよう」とブレスト(ブレイン・ストーミング)をすることがよくあります。まだ経験のない人でも、そのうち経験することでしょう。
しかし、後でブレストの結果を聞くと、「うまくまとまりませんでした」という残念な報告を受けることがあります。
ブレストには明確な作法がある
ブレイン・ストーミングとは、Brain(脳)をStorming(猛烈な、すごい)状態にさせる「アイデア発想法」です。「発想法」というくらいなので、偶発的なひらめきを期待するのではなく、意図的にアイデアを発想させる「方法論」です。
ということは、ブレイン・ストーミングには明確なステップとルールがあるわけです。それに沿って実施をしないと、みんなで集まった単なる雑談で終わってしまいます。
ロジカル・シンキングはフレーム(枠)の中で考えるアプローチですが、ブレイン・ストーミングは、思考を発散させるイメージです。アイデアをどんどん自由に出すのです。どれだけ新しいアイデアを出せるかが、大切なポイントになります。
ブレストで踏むべき3つのフェーズと9つのステップブレストは、右ページの図のように、大きく「準備」→「実施」→「整理」という3つのフェーズで構成します。
そして、それぞれのフェーズで実施すべきステップが9つあります。そのステップを踏めば、質の高いブレストを実施することができるようになります。
思うように結果が出ないブレストは、これらのステップを正しく実施できていないことがほとんどです。
みんなで集まって自由に発言しよう、というだけではダメです。それでは単なる雑談と同じです。
また、アイデアは出てきたけど、最後の整理と次のアクションを決めないままに終わってしまうケースもよくあります。出てきたたくさんのアイデアがそのままであれば、情報が単に散らかっているだけなので、次のアクションにつながりません。
ブレストは思考の発散ですが、最後の整理フェーズではロジカル・シンキングの思考法を使います。自由に出てきたアイデアをグルーピングして、情報を整理していきます。つまり、ピラミッド構造のアプローチです。
自由に出てきた情報を論理的に整理して、次へのアクションにつなげることが、ブレストのクロージングとなります。
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