憧れのマイホーム。それは多くの人が数十年にわたる住宅ローンを組んで手に入れる、人生で最も大きい買い物だ。しかし、何が起こるか分からない世の中。リストラ、ケガ、離婚などさまざまな事情が重なり住宅ローンの返済が困難になってしまう人も少なからずいる。

この連載では、「任意売却」でローン返済困窮を救済する、全国住宅ローン救済・任意売却支援協会に寄せられたさまざまな相談事例を紹介する。

子どものために競売は避けたい

――栃木県、40代男性(妻、子ども3人)の話

栃木県に住むWさんは、勤めている会社の景気が悪く、給料が激減。ボーナスもカットされたため、ボーナス払いがきつくなり、月々の返済も遅れがちになっていた。

次男が高校受験を控えていて大事な時期のため、子どもにストレスを与えないようにしたい。また、競売になるのだけは避けたいとのことで、どうしたらよいかと相談にやってきた。

滞納は6カ月分。このままの状態では競売が想定されたため、相談担当者は任意売却を提案した。Wさんは相談時、「子どもたちには絶対に迷惑をかけたくない」と男泣き。それを見た担当者も、必ずこのピンチから脱却してもらいたいとの思いがあり、早速、債権者と協議を行った。その結果、販売から35日という短い期間で売却することができた。

  • ボーナスカットでローンを滞納……受験前の息子を想って男泣き

    「子どもには迷惑をかけたくない」と男泣き

任意売却後の生活

残債務が1,880万円程あり、1,630万円で売却することができた。本人は、残りの債務を早めに返済したいとの要望で、月々30,000円を返済に充てることになった。

その後、次男が見事県立高校に合格したという一報が。長男・次男の2人は、「これから学校に行きながらアルバイトをし、家族を助ける」と力強く話した。

相談者の声

「住まいを失い、とても辛い日々を過ごしていましたが、災厄の状況(競売)を避けられたことに感謝してます。今回のことで、より一層家族の絆が芽生えました。また一から出直します」

※相談者のプライバシー保護のため、一部加工しています。
※画像と本文は関係ありません。

一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会

住宅ローン返済困窮者及び今後滞納する可能性を持つ方々の救済や利益保護を目的に、平成22年に設立された非営利団体。
ローン破たんで競売によるマイホームの強制的な売却を防ぐために、住宅ローン返済条件変更や売却せざるを得ない場合でも、より有利な「任意売却」でローン返済困窮を救済、またその仕組みの認知、普及に取り組んでいる。
「住宅ローン返済に困っている」、「返済を滞納してしまった」、「今後の住宅ローン返済が難しい」など、住宅ローンで困っていることがあれば、全国対応の相談窓口(フリーダイヤル:0120-963-281)、もしくは協会WEBサイトから気軽に相談することができる。