憧れのマイホーム。それは多くの人が数十年にわたる住宅ローンを組んで手に入れる、人生で最も大きい買い物だ。しかし、何が起こるか分からない世の中。リストラ、ケガ、離婚などさまざまな事情が重なり住宅ローンの返済が困難になってしまう人も少なからずいる。

この連載では、「任意売却」でローン返済困窮を救済する、全国住宅ローン救済・任意売却支援協会に寄せられたさまざまな相談事例を紹介する。

50歳目前でリストラ、再就職も決まらず

――東京都、40代男性(妻と2人暮らし)の話

東京都に住むOさんは、数年前に土地付き建売物件を購入した。その2年後には、金利の安い銀行に借り換えをして、返済を続けていた。

しかし会社の業績が悪化し、リストラの対象となってしまい失業。突然の通知に目の前が真っ暗になったそうだ。再就職先を探してはいたが、40代というものの50歳間近という年齢もあり、なかなか次の職に就くことができなかった。もちろんその間収入もないため、住宅ローンが返済できなくなってしまった。

  • 40代でまさかのリストラ! 裁判所から競売通知が届き頭が真っ白に……

    リストラで収入がなくなり、住宅ローンの返済が困難に……

催促の通知が届いてはいたが、見るのも嫌でそのまま放置してしまっていたところ、銀行から競売の申し立てをすると連絡が。どうしたらよいか分からず悩み、途方に暮れていた時、妻がインターネットで協会のことを見つけ、競売になる前になんとかできないかと相談にやってきたのだった。

競売だとかなり安くなってしまう可能性があったため、相談担当者は任意売却で売却することをすすめた。競売が進行中だったため、あまり時間的に余裕がなく、一刻を争う事態に気が抜けなかったのだそう。

その後

競売中ということで一時はどうなることかと思われたが、学区内で探していた買い主が、Oさんの自宅を気に入り、無事競売になる前に成約となった。しかし債務がかなり残ってしまい、Oさんも収入の見込みがなかったため、協会の協力弁護士をご紹介し、結局自己破産をすることになった。

相談者の声

「裁判所から競売の申請通知が届いた時は、頭の中が真っ白になりました。精神的にも苦痛で自殺も考えました。妻が全任協さんを見つけてくれて、相談したことで、気持ちも楽になり、さらに親身になって相談にのって頂き、競売になる前に買い主も見つけてもらえ、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。自己破産に戸惑いもありましたが、返していく自信とお金もなかったので、申請をしました。返済の悩みから解放されて本当に楽になりました」

※相談者のプライバシー保護のため、一部加工しています。
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一般社団法人 全国住宅ローン救済・任意売却支援協会

住宅ローン返済困窮者及び今後滞納する可能性を持つ方々の救済や利益保護を目的に、平成22年に設立された非営利団体。
ローン破たんで競売によるマイホームの強制的な売却を防ぐために、住宅ローン返済条件変更や売却せざるを得ない場合でも、より有利な「任意売却」でローン返済困窮を救済、またその仕組みの認知、普及に取り組んでいる。
「住宅ローン返済に困っている」、「返済を滞納してしまった」、「今後の住宅ローン返済が難しい」など、住宅ローンで困っていることがあれば、全国対応の相談窓口(フリーダイヤル:0120-963-281)、もしくは協会WEBサイトから気軽に相談することができる。