「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第70回のテーマは「『めんどくさい』の基準の違い」です。
「めんどくさい」は子どもの要望を断る理由になるかどうか。で、わりとよく我が家では意見の相違が見られます。
私は頼まれると、わりとなんでも「いいよ」と答えるタイプです。でも、別に断れないとか、ノーが言えないとかじゃなくて、「断る理由がない」と引き受けてしまうんですね。
ちなみに画業(イラストレーター、漫画家など)のママが保育園などで「絵を描いて」と言われて困る、という話を聞いたりしますが……私はわりと平気でやっちゃってます。自分のキャパシティを超えない範囲だったら、仕事以外で絵を描くのも平気なタイプです。
友達に何かを頼まれても可能な限りやります。そんな感じなので、物理的に、時間的に無理、またはとても不得意なことは「無理なのでできない」と断りますが、基本的に息子の要望をかなえてあげる方向で生きています。
パートナーも充分、息子の要望をかなえる方向で生きてると思うのですが、結構基準が違うんですよね。
パートナーに「なんでそんなに言うコトきいちゃうの?」と言われることが多いのですが、いやー、どうも、パートナーと比べると「めんどくさい」という基準がとても低いみたいなんですよね。
なので、第46回「男児は育てるのが大変?」でも書いたのですが、育児についてもよくパートナーは「うちの息子はこだわり強めでめんどくさいよ?」と言うのですが、私にとっては「育てやすいタイプの子」だと思っており、そこにも基準の差を感じます。
そんな感じなので、出かけ先では抱っこやおんぶ、肩車もしまくっていますが、「疲れた~」とか「抱っこして~」とか言われると「頑張って歩きなさい」って交渉するよりも抱っこしたり、おんぶ、肩車したりしたほうが私にとっては楽だからです。
以前、他のママ友に「そんなことしたら、家に帰ってから家事する体力が残らないから無理」と言われて、あ……そうか、うちは炊事はお父さんの役割だからな~、遊びに行ってから、帰って食事を作る体力のことを考えなくていいからかな? と思いました。
我が家では、お父さんが炊事係だから、抱っこやおんぶはお母さんの係になっている……と考えることもできます。私の場合は、家に帰るまでに体力を使い切ってOKだったり、疲れた息子をなだめすかすよりもおんぶや抱っこをしたほうが楽っていうことなんだろうな~と思います。
あと、私のほうがパートナーよりも楽観的でおおざっぱ。ゆえに見込みが甘いです。そしてなによりも、私の長所でかつ短所なのは「ちょっとくらい無理するほうが楽しい」という無謀な性格……。ちょっと頑張っちゃうくらいのほうが好きなんですよね。なので、たぶんパートナーの言うコトを聞いておいたほうが正しいのだと思います。
パートナーが「めんどくさい、遠い」と言っても「来たくないなら、ついてこなくてもいいよ」と言ってしまうのですが、これが別になんら悪意も否定の心もなく「ダイジョブダイジョブ~~」という見込みの甘さなんですよね。
パートナーがいないときに母子でお出かけをして、ストッパーがいないので無限に息子のリクエストに応えてしまい、後半になって母子ともに疲れ果てる……みたいなことを何度もやっていますが、なかなか直りません。
そんなわけで「こいつに任せておくと心配だ」と、できる限りパートナーは付いてきてくれます。ありがたや。
と、そんな原稿を書いているたった今……。私は首を痛めています。
先日、家族旅行でアジアへ行って来たのですが、帰国が深夜便だったんですよね。当然いつも寝ている時間なので息子は寝てしまい、私は大量の荷物を抱えつつ、16.5キロの息子を運搬……。そのときは大丈夫だったのですが、帰宅してゆっくり寝て起きたら……く、首が動かない! 完全に首と肩をやられてしまいました……。
そのときもパートナーには「かわいそうだけど、起きてもらって歩かせたら?」と言われたのですが、私は「深夜便に乗せるのは大人の事情なんだから、かわいそうだよ」と自分の限界ギリギリまで抱えてしまったんですね。ちなみにパートナーはスーツケースの運搬担当というのもありますし、抱っことおんぶはできる限り「お母さんがいい」という息子の要望もあって、ついやってしまいました。
とうとう「頑張り」と「物理的な限界」のボーダーラインを超えてきているようです。もう少し、パートナーの「めんどくさい」の基準を参考にしていこうと思います。
新刊『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』
(幻冬舎/税込み1,080円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ