「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第62回のテーマは「夫婦の間に秘密はある?」です。

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「夫婦の間に秘密があるかどうか」の話を各々のパートナーがいる場ですると、ちょっと空気がビビーンとなりませんか?

どちらかといえば「そんな話はしないでくれ……」みたいな空気になります。まあ、そうですよね。我が家は全然平気なんですが……。とはいえ、スマホのパスコードを知ってる夫婦は意外といますし、お財布一緒のご家庭は銀行口座は共有だったりもしますよね。なので何が「夫婦の秘密」なのか、という話にもなってきます。

我が家が事実婚で困りごとが少ないのは「秘密が少ないから」じゃないかな? と思っています。法律婚しているご夫婦でも、相手のスマホやパソコン、メールがパスワードでガチガチにロックされていたり、相手の収入と支出がわからないとパートナーの死後にとても困るというケースはあります。

契約しているサービスが何かわからず、何を解約していったらいいかわからないなど、「秘密の多い夫婦」は死別のときに、とても大変だと思います。

我が家は事実婚で、法的には代行できない事務処理は山のようにあると思うのですが、パスワードを知っているメールアドレスを管理できれば、ある程度、解約や支払いなどができる……はず。ということで、お互いのパスワードを開示しています。PCのパスワードも知っているので、たぶん緊急の際にはいろいろ対応できる……と思っています。実際にはまだやったことがないので、わからないのですが。

というわけで、これは完全に「緊急用」であって、普段は使いません。そもそも相手のメールなどは、パートナーのプライバシーだけでなく、送り先のプライバシーにもかかわります。仕事に至っては守秘義務も多くあるでしょう。パートナーだからといって、それを侵害することはできません。なので、そういうところはお互い侵害しない、という信頼において、いろいろな重要情報を開示しあっています。

つまり、ここで言う「秘密」は「自分の」秘密です。とはいえ、パートナーが「私に見られて恥ずかしい」ものを契約してても、別にそれは開示しなくて大丈夫です……。まあ、死んだら解約しなきゃいけないんですが、解約しやすいようにしておいてくれたら助かります。でもまあ、そのときは死んじゃっているんで、別にいいよねって感じです。

初婚では、そこまで開示していませんでした。まあ……当時はまだスマホ時代じゃなかったので、携帯電話にはお互いロックはかけない……程度でしょうか。ただ銀行口座のパスワードはお互い知らなかったです。元夫は「金銭管理丸投げ」したいタイプだったのですが、私はお金の使い道は自分で判断して欲しかったので断りました。お互いに何かあったら、という想定も全然していませんでした。見切り発車での結婚生活だったので、特に細かく話し合いはしていなかったんですよね。

現在は、完全お財布別で、お互いのお金はお互いが管理しています。共有財産はないので、基本的に病気になったら医療費も自己負担です。そういう関係なので、もしも自分が動けなくなったり意識がなくなったりした場合に備えるなら、お互いの銀行口座のパスワードが必要になってきます(医療費がかさんで自己負担が無理になった場合などはまた別の話です)。

まあ……ここまで徹底してお財布別なのは、離婚経験ゆえなのですが……。お財布が一緒の場合、離婚はものすごく大変です。「離婚なんかしないよね」という前提で生活を構築すると「絶対離婚できない」という環境になってしまい、その結果、無理したり嘘ついたり、ごまかしたりして関係が破綻する……ということに……なりかねない。

あくまでも我々がそういうタイプだから、ということなのですが、結婚を継続させたいために「離婚できない状況を作らない」ということにした結果、財産は共有しないかわりに、情報は共有することになりました。

そもそも、我々は秘密を持つのが苦手なタイプです。……だってめんどくさいじゃないですか……!

できる限り、嘘をつかず、ごまかさず暮らしたい。そういう生活がしたい。というのが我々夫婦の希望なので、こういう状況になりました。私自身、だれとでもこういう関係になれたわけじゃないと思うので、相手との相性次第なんだろうなと思っています。

世の中的には、「夫婦であろうと秘密は大事」というご夫婦もいますし、「家族になっても男と女、秘密があるほうがロマンチック」という人もいると思います。そう考えると、我が家は本当に……全然ロマンはないのですが、「信頼」という名の固い絆を結ぶべく、日々ぶっちゃけまくっています!

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