「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第226回のテーマは「負けを教えて鍛えることも大事」です。
8歳男児、最近は友達のおうちで遊ぶことも増えてきました。
友達とゲームをやって、勝った負けたという小学生的なコミュニケーションが行なわれますよね。遊びに行ったおうちのママ友から「マイルくんは一人っ子だから負け慣れてなかったりする? 」と聞かれました。上の子がいる場合は負けることが多いのであんまり気にしないけど、一人っ子だと負ける機会が少ないから慣れてないのでは、と気を使ってもらったのだと思います。
ですが……! 我が家では「負けの経験」をたくさんしています。そう、ゲームを一緒にやるとき、私が全然手加減しないからです。私は自分からゲームをすることはあまりないのですが、昔から弟のゲームの相手をさせられていました。なので、全然ゲームをやらないのに格闘ゲームだけはできるんです!
我が家にあるゲーム機はNintendo Switchですが「大乱闘スマッシュブラザーズ(格闘系ゲーム)」だけは家族でやっています。昔は弟のゲームの相手をしていて、今は息子の相手……。昔も自分からやりたくてやっていたわけじゃないですが、無理矢理やらされててできるようになっててよかったことってあるんだな~と思ってます。
格闘ゲームならなんでもすぐにできるわけではありませんが、我が家に「スマブラ」が導入されてから家族でやっているうちに息子も上達しました。が、私も上達。最初はやっぱり経験値のない息子は私に勝てなかったのですが、徐々に上手くなり勝つ回数が増えました。でも、私は私でウイークポイントを練習してカバー。現在は息子より少し勝つ回数が多い感じです。
私はあんまりゲームが得意ではないと思っているので、ひたすら同じキャラだけ使っているのですが、息子はあれこれ移り気でいろんなキャラを使います。そうするとキャラによって強さや得意、不得意が違うので上達は遅くなります。私は同じキャラだけ使い込んでいるので、今は私が勝てているという感じです。
そんな感じなので、8歳男児。私に全然勝てないとやっぱり感情的になります。「つまんない! 」と怒り始めることも。そんな時は「怒るんだったらやらないよ! 」と厳し目に接しています。
保育園児だったころは、やっぱり能力的な問題もあるし、情緒や感情のコントロールには限界があると思うので「手加減」や「ご機嫌取り」はしていました。しかし、小学生ともなればゲームなど親よりできることも増えてきます。
そこで「小さい子だからしょうがないよね」という態度を取り続けるのは、子どもにとってよくない態度なんじゃないかと思うのです。なので「これくらいはできるよね」という見積もりで「悔しいんだったらもっと練習して上手くなりな」と言うようにしています。
ちなみに我が家がスマブラを一生懸命やるのは、パートナーの実家で親戚一同で「スマブラ大会」が行なわれることが多いからです。パートナーの実家はうちの息子も入れていとこが9人で、一番上はうちの子と22歳差! この大人数が集まって、スマブラをやるのです(スマブラは8人まで同時対戦可能)。そう、我が家にはうまくなってそれなりの実力で戦いたい場があるのです……!
そんなわけで、息子の成長に合わせてゲーム機を買い、コロナ禍で親戚のみんなに会えないときに練習を重ねていました! 息子にも親に勝ちたい以外にうまくなるモチベーションがあるので、楽しく厳しくできていると思います。
そんなテンションでゲームをしていればそれなりに上達もするので、前は勝てなかったお友達と久々に遊んだら「今度は結構勝てたよ! 」と報告してくれました。前は負けることが多かったけど、勝てるようになったという体験が得られたのであれば、ちょっと厳しく接しておいてよかったなと思います。
練習というのは実技が上手くなることだけじゃなくて、勝ったり負けたりしたきの気持ちの折り合いのつけ方も必要なんですよね。もちろん、お友達の家でどういう感じなのかはわからなかったので、勝ったり負けたりしてどういう態度だったかまでは把握してないのですが……。勝敗についての気持ちの折り合いも、成長に合わせてうまくつけられるようになってもらいたいです。
コロナ禍でお友達の家で遊ぶ機会もあまりなかった数年。なるべく親が一緒になって本気で遊んであげられるものがあってよかったかもしれません。一緒にゲームで遊ぶのも今のうちだけかも……と思うので、時間がある時は「本気」で相手しようと思っています。
『その下ごしらえ、ホントに必要? 段取り少なく美味しくできる、家庭料理の新常識レシピ』
(幻冬舎刊/1,650円)
水谷さるころのパートナー・ノダDこと野田真外が、女子栄養大学名誉教授・松本仲子氏に「本当はやらなくていいこと」を省いて美味しい料理を作るコツを教えてもらうレシピ本です。イラストとマンガは水谷さるころが担当。1月13日発売。くわしくはコチラ
著書『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』
(幻冬舎/1,100円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ
著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。