「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第223回のテーマは「加齢と共に増えるセルフケア」です。
40代、加齢の悩みの一つに「白髪」があります。私は実は20代から白髪があって、ずっと黒系の色で髪の毛を染めてきました。
しかし加齢と共に増える白髪……。連載116回でも書きましたが、染め続けているけど「本当は今、どれくらい白髪なんだろう? 」と思い、ここ数年はずっと白髪だけを赤に染めています。
白髪染め剤をやめて、ヘアマニキュアにしました。ヘアマニキュアは黒髪にはあまり色が入らずに白髪だけに色が入ります。なので「色が染まる=白髪」なのです。
最初は、「ああ、私は前髪のほうが白髪が多いんだな」などと思っていましたが、かれこれ3年近く。本当にどんどん赤いスペースが増えていっています。「黒髪に赤メッシュ」くらいの感じが、今では「赤い髪の毛の人」という感じです……!
友達に会うたびに「髪の毛、また赤くなったね」と言われています。つまり、じゃんじゃん白髪が増えているんですね……。今ではこんなに赤い髪の人になるつもりじゃなかった……というくらい赤いんですが、もう行くところまで行こうと思っています。
髪の毛の赤さが増してから、よく声をかけられるようになりました。「キレイな赤ですね、どうされてるんですか? 」と、同じ年かちょっと上の女性に声をかけられることが多いです。店員さんとか、クリニックの看護師さんとか。そのたびに「やっぱりみんな、髪の毛どうするか悩んでるんだな」と思っています。
白髪がどんどん増えるに従い、私は2週間ごとに自分でヘアマニキュアで髪の毛を染めています。白髪染めだけを数千円でやってくれる美容室もありますが、半月ごとに通うとなると時間もお金もかかります。なので、私は自分でやることにしました。それまでも自分で白髪染め剤でやっていたのですが、ヘアマニキュアは加熱しないといけなかったり、地肌につくと取れにくかったりして慣れるまでは多少試行錯誤しました。
しかも、以前は「美容院に行くまで、分け目のところだけ染める」くらいでよかったのが、それでは追いつかなくなりました。息子に後ろのほうを「ちゃんと染められてないよ」などと指摘されて、パートナーにやってもらったりしていたのですが……。月に2回もやっているとどんどん慣れてきて、今では鏡を使って一人で全部染めています。100円ショップに、染剤が耳につかないようにするイヤーキャップなども売っているので、今ではグッズも取り揃えてスムーズに染められるようになりました。
と…、なにかあると「練習で解決」しがちな私。街中で「どうされてるんですか?」の答えが「2週間毎に、ヘアマニキュアで自分で染めてます!」というと、「え! (それは無理)」みたいになってしまいがちです。でも、練習したら気軽に自分の髪色をコントロールできるようになるのは楽しいんですよね。
私の母も白髪がわりと若いうちから多く、ずっと白髪染めをしていました。私の白髪の多さは母からの遺伝かなと思うのですが、母はわりと早く50代くらいで白髪染めをやめてしまいました。50代くらいだと、まだ“老人”という感じではありませんが、白髪が多いとやっぱりおばあちゃんっぽく見えるんですよね。母本人も「電車で席を譲られちゃったわ! 」などと言っていて、10代の私は内心「まだ顔や年齢の雰囲気と合ってないから髪の毛染めたらいいのにな」と思っていました。
最近では髪の毛を染めないグレーヘアのままでいる、というスタイルもあります。私の友人でもすごくかっこいいグレーヘアの方がいらっしゃいます。でも、私がやると「ただ染めてない」人に見えちゃいそうというのと、自分が「お母さん染めたらいいのに」と思ってたのもあり、私は子どもが成人するまでは染めようかなと思っています。
とはいえ、白髪染めを黒髪じゃなくて、好きな色に染めるというのは結構楽しいです。せっかく白いなら好きな色にしちゃおうとポジティブな気持ちで染めています。
しかし白髪はもう一つ問題があって、コシがなくなって跳ねたりウェーブになったりしがちなんですよね……。私の髪も、顎から下に伸びるととたんに跳ね始めます。トリートメントを変えてみたりと努力もしているのですが、一番いい解決方法は「短くしておく」ことです。……というわけで、とうとう染めるだけじゃなくてカットも自分でし始めてしまいました。
これも最初は前髪だけ、前のほうを揃えるだけ……と思っていたのですが、気がついたら「跳ねる長さになったら切る! 」と鏡を使って全部カットするようになりました。
加齢と共に必要なケアが増えて、若いうちは身に付けなくてもよかったスキルが増えています。お金をかけるのもいいけど、自分で手間をかけてケアするのも悪くないなと思っています。年を取ってもなるべくネガティブにならずに、自分に合うスタイルを見つけて楽しく年をとりたいなと思っています。
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著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。