「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第219回のテーマは「割り勘夫婦 旅行もきっちり割り勘」です。
割り勘夫婦のみなさんは、どうやって普段割り勘をしていますか?
我が家は、家賃はパートナーが振り込みをしているので、私は家賃の半額をパートナーの口座に振り込んでいます。そして、その他の日常の支払いは食費(外食を含む)がパートナー、水道光熱費・通信費などを私が払うという割り勘スタイルが基本です。
生活費の割り勘は細かくは精算せず、それでお互いが納得しているのですが、それ以外にかかるお金についてはお互いが明細をつけておいて、精算することにしています。
旅行やレジャーについてはパートナーが支払いをすることが多いですが、それはその場ではまとめて払って、後日明細を見て精算する割り勘スタイルです。お互いがちゃんと「精算した」という記録が残るように、パートナーからエクセルのデータがメールで届き、そこに私が使った分の明細を追加してメールで返す、という方法をとっています。お互いの使った金額を確認してから、総額の半分を計算し、足りないほうが差額を振り込みます。
メールでやりとりするのと振り込みをするのは、記録が残るからです。現金でやりとりすると証拠が残らないので、「これちゃんと払ったっけ? 」「もらった」「もらってない」と曖昧になることがあります。曖昧になった経験をもとに、基本は「メール」で明細をやりとり、支払いは「振り込み」になりました。ちなみに私とパートナーは同じ銀行の支店に口座があるので振込手数料がかからないようになっています。なので、同じタイミングにいくつか重ねて払うことがあっても、名目ごとに振り込みを分けたりしています。いつ、いくら支払ったのか通帳を見ればすぐわかるので、こちらも「精算が済んでる証明」として使っています。
私は子どもの習い事や、学校でイレギュラーにかかるお金の支払いを担当しています。なので、これは毎月一定の支出がありますが、毎月精算せずに、旅行の精算のときにパートナーの支出に対して相殺する形で精算しています。旅行は義実家帰省が年に2回を基本として、それ以外に旅行が入ることが多いので精算の頻度は年に4回くらいは必ずあるので丁度いいバランスになっています。
ご夫婦によっては、「夫婦なのにそんなにきっちりやるの面倒じゃない? 」という方もいらっしゃると思うのですが、我が家の場合は「曖昧になるほうが揉めやすい」んですよね。お金のことは可視化できていないと、どちらかが「なんか自分ばかり負担している」と思ってしまうことがあります。お互いの認識の違いがなくなるようにしよう……! と、徐々にきっちり精算をするようになっていった感じです。
とはいえ、毎回ここまでやる一番の理由は、我が家が「事実婚」でさらに「共有財産を持たない」約束をしているからです。なので我が家には共同でお金を入れる「2人で貯めて使う」口座がなく、毎回精算しているというのもあります。まあ精算はめんどくさいのですが……その辺はある程度割り切っています。
フェアなバランスを模索している、といいつつこのシステム、実は旅行中支払いをしているパートナーのほうが本当は大変です。というのも、全部いつ何にいくら使ったか、ちゃんと全部メモしているからです……! 私の分は後からカードの明細を見て、「あ~これはいくらだった」と明細に追加するのですが、パートナーのほうが払う機会が多く、現金払いも多いので、毎回きっちりメモしています。
これも、ちゃんとメモっていないと揉めるから、という経験からですが、パートナーのほうが性格的に細かいのでその辺はおまかせしています……。私はかなりの丼勘定タイプなので、助かっています。
パートナーも私が丼勘定なのと、計算が苦手なのはわかっていて、積極的に自分がやろうとしてくれるので、その辺はお互いの能力のバランスをとっていると思います。
私はエクセルの自動計算を使っているはずなのに、謎の計算ミスが出たりしたことがあるのですが、パートナーがちゃんとチェックして「これ、なぜか間違ってるよ。さるころが多く払う計算になってる」と金額を訂正してくれます。パートナーはそういうところをちゃんと指摘してくれるので安心です。
こういうのは、やはり夫婦でお互いが「こうしたほうがお互いストレスがないよね」という状態を、試行錯誤して作っていくしかないなと思います。
今はいい感じでバランスが取れていますが、今後も出費やお金の使い方について、どういうやり方が自分達にとってベストなのかは変わることもあるのだろうなと思っています。もっと年をとってお互いの収入と支出が変わることもあるはず。
そうなってもお互いがその時の最善の方法を取れるようになりたいな……と思ってます。
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著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。