「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第210回のテーマは「子どもの日焼け対策をしてしまうわけ」です。
6月末の猛暑がすごかったですね……。今年も日光対策に余念がありません。私は日焼けが大の苦手なのです。
美白とかそういうことではなくて、子どものころから日光に当てられてジリジリと肌が焼ける感覚が苦手でしかたありませんでした。さらに、肌が焼けた日は体中が熱くて、お風呂に入ればしみて痛い。そして夜は寝られない。何日か経つと皮がむけてきて、見た目もよくないし不快……。
なのに小学生のころは「夏の日焼けは勲章」とばかりに、周りは競い合って日焼けをしていて、皮がむけた自慢もしていました。私もある程度の年齢までは「そういうもんなのかな」と思っていたのですが、年々「やっぱり辛い」「やらなくていいならやりたくない」と思うようになりました。
海に行くときなど、母はばっちり日焼け対策をしてたんですよね。今思えば「それ、私にもしてよ」って感じなのですが、今よりも「子どもは日焼けしてなんぼ」みたいな世界だったので、誰も日焼け対策をしてくれませんでした。
中学生のときに家族で沖縄旅行に行ったとき、強烈な日差しに完全無防備で挑むことになり、「もう、絶対に日焼けは嫌だ!! 」とトラウマ級のイヤな思い出に。以後30代になるまで海に行くことなく過ごしました。
高校生くらいになると、自分でケアすればいいということがわかり通学にも日傘を使っていました。20歳くらいのときに友達とレジャーにでかけたのですが、周りが日光を全然苦痛に感じてないのに私一人が苦痛を感じていて、「ああ、私は日光が人よりも苦手なのだな」とやっと自覚しました。
日焼け以外に、眩しいのも苦手なので私は季節を問わず、出かけるときはずっとつば付きの帽子をかぶっています。息子も、赤ちゃんのころから日差しが眩しいと泣き、不快感を露わにしていたので「これは私に似ているタイプなのかも」と思って、しっかりケアするようになりました。
息子と初めて海に行ったときはもちろんラッシュガードを着せて、2時間ごとに日焼け止めを塗り直していました。息子は初めての海がとても楽しかったようで、いい思い出になったみたいで安心しました。私みたいに「日差しが辛いからもう行きたくない! 」と思ってもらいたくない、と思って必死に日焼け対策をしたからです。
我がパートナーは、「日焼けは全然苦痛じゃない」タイプの人です。肌も色白タイプではなくて、私が徹底的に日焼け対策をしていても「あ、日焼け止め忘れちゃった」とか言ってるし、日光に当たっても平然としています。そんなパートナーから見ると、私は過保護な親に見えることもあるようです。
しかし、本当に昔と今では子どものケアのレベルが違うよなあ……と思っています。今のほうが子どもへのケアが手厚い。「普通」は時代によって変化するということを感じます。
ちなみに息子は今年8歳ですが、一度も日焼けの苦痛を味わったことがないんですよね。それはそれで、どうなんだろう? 一度は体験してみてもいいのかな? と思わないことはないのですが……。とはいえ、温暖化が進む現在は私達が子どもの頃とは違います。それに、日焼け予防をしないで、子どもが日に焼けることがあったとしたら、絶対その日の夜は……地獄。
ずっと「痛い。暑い」と文句を言い続ける息子と過ごすことになるのでは、と思うと、恐ろしくてついつい、ばっちりの日焼け対策をしてしまうのでした。
そのうちもっと大きくなったら、自分で行動を決められるようになります。そんな中でうっかり日焼けしすぎることもあるだろうし、それで「やっぱりケアしないとな」と自分でケアが選択できる人間になってくれたらいいなあと思うのです。父親と同じように「日焼けが別に苦痛じゃないな」と思えばケアは適当になると思うのですが、そしたらそれでいいと思っています。
と言いつつ……今、日差しの強い日には「お母さん日焼け止めして」と言ってくるので、私に似たタイプなのではないかと思っています。ちなみに私は5月くらいからカバンに常にスプレータイプの日焼け止めが入れてあり、さらにサングラスは大人用と子ども用、両方常備しています。
用意周到で、過保護気味であることは認めます……。でも子どもに「暑い~」「眩しい~」とずっと文句言われるのもイヤなんですよね。連載113話「我慢するってそんなに大事? 」でも日焼けケアの話は書いたのですが「我慢はしない。解決する」方針なので、今はまだ子どもの「文句=困りごと」を解決してあげるつもりです。
そして子どもにも自分や他人をケアできる人になってもらいたいと願っています。
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著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。