「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第207回のテーマは「高額なものを買う話し合い」です。
息子がパソコンを欲しがっています。そして何がしたいかといえば、マインクラフトです。息子はマイクラで「コマンド」を使うことにハマっていて、プログラミング的なことが好きだという自覚があるようです。
そしてお友達の中にも、すでにパソコンでプログラミングをやっている子もいるようす。なので、息子も「自由に使えるパソコンが欲しい」という気持ちになったようなのです。
我が自治体では、すでに小学校で各自一台タブレット端末が配布されていて、そこでプログラミングの学習もやっています。なので、今の子ども達にとってはプログラミングは身近なものなんですね。そして習い事でも人気のようで、いろいろなところで「プログラミング教室」を見かけますし、勧誘も多いです。
我が家としては、プログラミングに興味があるならできる環境を作ってあげたい。周りの話を聞くと、どうも家族で自由に使えるノートパソコンがあったり、親のお下がりを使わせてもらったりしていて、自宅でパソコンを使う環境の子はそれなりにいるようです。
うちは夫婦揃って自宅が仕事場なので、それぞれが自分のパソコンで仕事をしています。しかし、私はマンガ、イラスト、デザイン。パートナーは映像編集。なので、モニターが大きめの据え置きのデスクトップパソコンなのです。
私はほぼ家から出ない仕事ですし、持ち歩くとしてもノートパソコンよりもiPad Proのほうが都合がいいので、ノートパソコンを持っていません。パートナーのほうはノートパソコンを持っているのですが、仕事で使っているし、前に使っていたものはそんなに調子がよくないので、我が家に「お下がり」になりそうなパソコンがありません。
じゃあ子どものために新規でパソコンを買うか……? というと、かなり高額になってしまうんですよね。子どもの誕生日プレゼントにおいそれと買えるような金額ではありません。それに、我が家は夫婦揃って長年のAppleユーザーなので、サポートする環境を考えるとWindowsよりも価格の選択肢がないAppleのパソコンになります。
中古でもいいのでは? とも考えましたが、Appleは中古も安くはないのと、きちんとしたサポートが受けられるほうがいいので、やっぱり買うなら保険のついた新品を……ということにしました。
習い事で楽器をやる家庭などは、楽器によっては高額なものもありますが「子どもだから与えない」というわけではないですよね。それは家庭の支出との兼ね合いで親が与えるかどうか考えるところだと思います。
どうするか悩んでいたところ、パートナーが「本人にも出してもらったらいいのではないか」といいました。今まで我が家は子どもがもらったお年玉やお祝いを貯金してあります。連載202回で息子本人が「自分のお金でお買い物がしたい」と言い始めたエピソードを書きましたが、子どもと「お金をどう使うか」の話し合いをするのが必要なのではと思いました。
私の知っているケースでは、自分のお年玉やお祝いにもらったお金は親が管理していて、完全にブラックボックスというおうちもあるようです。そして18歳くらいに通帳を「今までの分」ともらえるケースもあれば、何事もなかったかのように渡されないまま……というケースもあります。そして、後者のケースは、親との信頼関係に問題が残ることもあります。
私は「子どもに隠し事をしない」「なるべくオープンに話す」ということを心がけています。子どもがもらったお金を使うとしても、それをどう使うか話すほうがいいと思っています。
今回は、息子のものなので息子の今までの貯金からすべて買うという選択肢もありましたが、パソコンはまだ子ども一人の責任で使えるものではありません。管理するのは親ですし、親としても環境を与えたい気持ちもあるので、みんなでお金を出し合って買うということにしました。
お金の使い方を話すことを嫌がる人もいるのですが、我が家は夫婦のお財布が別なのもあり、常に「家族のお金をどう使うか」の話し合いをしています。ここに、子どもが「欲しい」と言ったものに関して、本人を入れて話し合いをするのはお金のリテラシーの教育としても大事なことかなと思いました。
と、ここまで話を進めていたところ……つい最近、円安とニューモデル発表のタイミングでさらにAppleのパソコンが値上がりしてしまいました。ぎゃー! と慌てて量販店の在庫をチェックすると、買う予定だったものの在庫が前のままの値段であったので、慌てて買うことにしました。誕生日はまた来ていないので、息子にはまだ隠しています。
パソコンを買ったのはいいのですが、この先「アカウントの管理」の問題なども出てきます。今、タブレット使用でも「時間管理」に課題が残っているので、まだまだ親がやることがありそうです。
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水谷さるころのパートナー・ノダDこと野田真外が、女子栄養大学名誉教授・松本仲子氏に「本当はやらなくていいこと」を省いて美味しい料理を作るコツを教えてもらうレシピ本です。イラストとマンガは水谷さるころが担当。1月13日発売。くわしくはコチラ
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バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ
著者プロフィール:水谷さるころ
女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。