「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第157回のテーマは「やっぱりタスクは抱え込まないほうがいい」です。

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そろそろ、はじめての小学校生活の一学期が終わります。あっという間ですね。

入学した頃は、生活の変化に慣れず親も子も気を張って頑張っていましたが、そろそろ小学生であることにも慣れてきました。むしろ、つい数カ月前まで保育園児だったなんて……というくらいの気持ちになっています。1人で学校まで行って帰ってこられるの?! と思っていたのに、今やすっかり1人で行って帰ってくるのが当たり前に……。たった3、4カ月でこんなに変わるものなんですね。

さて、そんなわけで慣れてきた小学生生活。息子がダレてきて、「行きたくない」という日もありますが、それ以上に私がやらかすことが多くなってきました。なぜ……なぜ慣れるとうっかりミスをしてしまうんでしょうか。まあ、気が抜けているからですね。

マンガで描いたエピソードを補足しますと、1年生は時間割がよく変わるのですが、翌週の分の時間割が金曜日に配られます。そこに宿題も書いてあって、音読をしたら親がハンコを押すシステムになっています。そのプリントが来るようになってから、しばらく連絡事項がなかったので、だんだんと惰性でハンコだけ押すようになり、ちゃんとプリントを見なくなっていたんですね……。

珍しく、息子が帰ってくる時間に予定があり、帰ってきてからの「プリントチェックと宿題を見る」というタスクをパートナーにまかせて出かけたら、パートナーに「変更された時間割と連絡事項は全部ここに書いてあるよ」と指摘されたのでした。なんということでしょう……。毎日見てるはずのプリントを、全く見ていなかった!

先日は、学校に行く途中まで散歩がてら送っていっていたのですが、「あっ! 健康観察表(体温と体調について書いて毎日提出するもの)と、学童用の連絡帳を書くのを忘れた(これも毎日書いて提出)! 」と、通学路の途中で息子のランドセルから書類と連絡帳を取り出し、息子の鉛筆で書きなぐって渡す……ということをしました。

毎日やっているのに、なんで忘れちゃうんでしょうね?! そして、さらにプールが始まり「プールカードを書く」というタスクが追加されました。プールカードにあらかじめ書いておく名前、連絡先や平熱などはもらってすぐに準備していたのですが、当日は「タオル・水着・水泳帽子・ゴーグル」のほうに気を取られて、その日の分のプールカードを書くのを忘れてしまったのでした。しかし、それに気がついたのは帰宅後。あれ? でも息子は今日、プールに入ってきている……。

どうやって?! と思ったら、先日、私が「健康観察表」を道端で書きなぐって、ハンコの代わりにサインをするのを見た息子は、「あれでイケる」と学習していたらしく、なんと自分で「日付・体温」を書き、さらに漢字でサインをしていたのでした。健康観察表は忘れておらず、その体温と同じだったので先生もOKしてくれたのかもしれません。

な、なんと機転の聞く小学1年生……!!! お母さんのうっかりをフォロー!! 自分のダメさと息子のしっかり具合にかなり落ち込みました。

1人っ子でさえこんな抜けていることをやらかすので、複数のお子さんの世話をしている親御さんはマジでもう超人……。さらに膨大なタスクをこなしていると思います。

パートナーに代わってもらった日に、私が書類を見ていないことが発覚したり、私のうっかりを息子にフォローしてもらったりと、子ども以上に親がやらかしています。ちなみに、自分が小学生のとき、私はクラスで「忘れ物クイーン」でした。昔は親は宿題をみなかったし、あまり持ち物の管理とかしなかったような気がします。そして自分でやるということで、バンバン忘れ物をしていたという思い出……。

そんな私が母親になり、子どもの世話をしているわけですが、子どもの頃の経験から「自分はうっかりしがち」という前提でタスクを設定しています。子どもが帰ってきたら、必ずプリントと宿題を子どもに出してもらい、子どもが自分で給食のナプキンを交換し、明日の授業の準備をさせるというルーチンを作りました。その後宿題が終わったら自由時間です。

そのルーチンを守れば、朝慌てることもないし宿題も忘れないので子どもも毎日やってくれます。しかし、何よりもそのルーチンを必要としているのは私自身なのです……! タスクをちゃんとルーチンで組み立てておかないと、絶対ぐだぐだになってしまうのです。決めてもうっかりをするくらいのうっかり力。

我が家は今は「使ったものは、決められた場所に必ず戻す」というルールがあり整理整頓できていますが、これも小学生の頃自分は全くできなくて困った経験から決めたルールです。

なので、子どものタスクでうっかりミスをやると、自分の小学生のときの思い出がフラッシュバックします。息子が「困らないように」は同時に、「自分が困らないように」でもあります。とはいえ、うっかりミスは誰にでもあるものなので、過度に失敗にとらわれず、家族でフォローしあって、なんとかやっていけるといいなと思っています。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。