「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第144回のテーマは「タスク分担で混乱する新生活」です。

これまでのお話はこちら

我が家はなるべく育児に夫婦2人で参加しています。もちろん、参加しなくていいところまで2人で行くので、時々奪い合い……しかし奪い合うのも不毛なので一緒にやる、ということが多いです。それだけ聞くと平和で仲良し夫婦なのですが、一緒にやればやるだけ揉めごともあります。

一番揉めるのは、なにかのタスクが「はじまる時」です。どっちが何をやるのかをちゃんと把握せずに、「向こうがやるだろう」と思っていたり、混乱したり……ということが起こります。保育園に入るための「保活」のときも大ケンカが勃発しました!

たとえば、「育児は母親がリーダーで、父親は補助」と決めてしまえば、そこまで揉めないのかもしれません。ですが、我が家は「なるべくどちらも把握する」方向なので、揉めごとが起こりがちなのです。

まず、小学校の入学準備については、「入学関係の書類」の担当はパートナーでした。我が家は事実婚のため、パートナーが世帯主で、母子別姓ですが母親が親権者という家庭です。自治体からの入学関連の書類が、「〇〇(息子の名前)の保護者さま」で来ていたことに感心しました。すごい! 我が家みたいな家庭でも問題が起こらない表記!

私と子どもの姓が違うことは書類的にもなんら問題はないのですが、同時に父親が親権者かどうかもあまり関係ないんですよね。同一世帯でパートナーは「世帯主」なので、親権者かどうかは問題になりません。どっちが書類を書くかは別にこだわりがあるわけではないのですが、今回はパートナーが担当になりました。

我が家は学区の小学校が少し離れていたので、学区外の少しだけ近い小学校に希望を出しました。すると希望者多数で抽選になり、通う小学校が決定するまで時間がかかってしまいました。

しばらくして無事に希望する小学校に入学できることになったのですが、決定してから学校説明会までの日程が短く、夫婦揃ってどちらも把握してなかったため、学校説明会をすっぽかすというミスをやらかしました……!

ああ~~! これはどっちの責任……? と思いつつ、まあやってしまったものはしょうがない。私が慌てて電話で問い合わせ、別途説明をしていただきました……。そんなことがあると「やらねば」という気持ちになるので、以後は小学校の書類や申し込み関連を忘れないように私が担当しています。

そして次の新しいタスク。共働きの我が家は、小学校に入ったら学童保育のお世話になります。学童保育って、保育園以上に地域や自治体によって違うんですね……。パートナーは別の区での子育て経験があります。そこで「ここの区と前の区は違うんだよな」と始まる前からずっと言っているんです……。

私達の暮らす区は学童施設ではなく、小学校の空き部屋を使うスタイルの学童保育です。希望者は全員利用でき、共働き家庭でない子は午後5時まで(A会員)。両親が就労している場合は、平日は5時以降も滞在できて、夏休みなども利用できます(B会員)。

パートナーが以前経験したのは学童施設(児童館など)が別にあるタイプの学童保育で、こちらのほうが保育園に近いスタイルだったとのこと。パートナーは「前のやつのほうがよかった」とずっと言っているのです。……が、私は小学生の親になるのは初めてで、学童のこともわからない。目の前の書類の通りにこなす以外選択肢はありません。横でぶつぶつ文句言われると、正直イラっとしてしまうのです!

調べたところ、学童保育には①「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」と②「放課後子ども教室推進事業(放課後子ども教室)」の2種類があって、①が厚生労働省管轄、②が文部科学省管轄なのだそう。え? 名前も似てるし、わかりにくい……! と思いました。

公設の「放課後児童クラブ」には、自治体が運営する「公設公営」と、NPO法人や民間企業、父母会などが運営する「公設民営」があります。場所は、小学校の空き教室や児童館などを使用することが多いようです。

「放課後子ども教室」は、すべての児童を対象としていて、放課後や週末に小学校の空き教室などを活用し、さまざまな取り組みを行うものだそうです。「放課後子どもプラン」として、厚生労働省の「放課後児童クラブ」との一体化や連携も進められています。

うちの自治体の学童保育がどっちなのか……たぶんA会員が「放課後子ども教室」、B会員が「放課後児童クラブ」で、一体化して実施しているタイプのようです。区によっては、学童施設で行う学童保育と、小学校で行う全児童対象型の放課後子ども教室が両方あって、選べる場合もあるようです。

どうも保育園以上に、自治体によって運営方法や種類が違うようで、隣の区で子育て経験のあるパートナーとも、別の街に住んでいる先輩ママの話とも微妙に違うんですよね。

自治体どころか、保育園のママ友によると、同じ区の隣の小学校でも学童クラブを運営している会社によって運営方法が違うとのことでした。我々の通う学校の学童は18時半までしか利用できないけど、隣の学校の学童は19時半までだったり……同じ小学校で親が18時半までにお迎えに行けない子は、途中から民間学童に移動するということでした。住んでるところや家庭の事情で、それぞれ対応するしかないようです。

パートナーよ……これくらいいろいろ違うみたいなので、前の経験のことは忘れてほしい! と思いました。やっぱり報告・連絡・相談を夫婦で密にして、連携してやっていくしかないようです。

というわけで、我が家は保育園だけじゃなくて小学校生活もあれこれと夫婦揃って行くことになりそうです……!

新刊『骨髄ドナーやりました!』

(少年画報社刊/1,045円)
初代骨髄バンクアンバサダーの俳優・木下ほうかさんも「『ちょっと人の命を助けて来るから!』。こんなカッコいいことを言い放つお母さん。私はこんな最強マンガを待っていました」と絶賛する書籍が発売!! 日本骨髄バンク完全監修の爆笑必至の骨髄ドナー体験マンガです!
夫婦揃って献血が好きで、骨髄ドナーに登録しているさるころとノダD。2人は事実婚・共働きで息子を育てています。夫のノダDは今までに3回骨髄ドナーにマッチングをしていて、3回目で骨髄提供をしました。そんなある日、骨髄バンクから届いた書類をよく見ると、なんと今度は妻のさるころが骨髄ドナーにマッチングしたお知らせでした……! 非血縁ドナーのマッチング確率は数百~数万分の1とも言われており、骨髄ドナーは登録してもマッチングするとは限りません。そんな中、なんと夫婦で2年連続ドナーを体験。そんな激レアなn=2のリアルガチな体験談をあますことなくお届けします! 詳しくはコチラ

著書『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』

(幻冬舎/1,100円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ

著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。