「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第138回のテーマは「習い事を続けるにはどうしたらいい? 」です。

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子どもになにか習い事をさせていますか? 我が家は英会話とピアノと自宅学習ワークをやっています。

どんな習い事だって、始めたときは子どもはワクワクドキドキしてやる気満々。次のレッスンが楽しみ……! という感じですけど、長く続くとテンションが落ちてきますよね。どんなことでも「ずっと大好き! 楽しい! 」という気持ちのままの子もいるのかもしれませんが、我が子は残念ながらテンションが下がっていきます……。

第105回「子どもの『やりたい』を潰さないのが親の役目」でも書きましたが、我が家は習い事などを「強制しない」ことをモットーにしています。本人がやりたいと言って始めたからといって、「あんたがやりたいって言ったんでしょ! 」と強制しても、ただただ子どもは「嫌だ」と思うばかり。私は自分の経験から「強制は悪」と感じているので、どうやったら楽しく続けられるか……というのが悩みのタネです。

英会話は3歳のころからやっていますが、親が「早く始めたほうがいい」とやらせたわけではありません。3歳のときに英語の存在に気付いた息子が、「これは英語でなんていうの? 」という英語ブームがあって、答えるのが大変だったのです……!

というか、幼児向けの英語に親が対応仕切れませんでした。まず「『輪投げ』は英語でなんていうのか? 」で夫婦で揉めました。「Quoits」? 「Ring toss」? 「Ring Throw」? わからない……!

結局どれでも通じるっぽかったのですが、その他にも「吹き戻し(縁日で売ってる吹くと紙がピロピロと伸びる笛)」を英語でなんていうか、とかダンゴムシはなんだとか、いちいち調べるのが大変で「親だって、何もかも知ってるわけじゃないんだ……息子よ……!! 」と疲れ果てたので、英語を習わせることにしました。

3歳児のオーダーに応えてもらうには、教室よりも個人レッスンがよいだろうということで、自宅に先生に来てもらっていました。先生は仕事の関係などで数人変わりました。今は新型コロナウイルスの影響で、オンラインレッスンになっています。

オンラインレッスンだと幼児の集中力が続かず、以前は60分でしたが今は40分のレッスンです。それまでは、先生と家で英語を話しながら遊んでいた、という感じだったので1時間を持て余すことはなかったのですが、今のオンラインレッスンでは「遊ぶ」というより「お勉強」という感じなのが不満のようです。

そして、 オンラインレッスンでは子どもと先生だけでは難しく、親が横でつきっきりでサポートしないとできません。タブレットを使うのですが、子どもって本当にすぐ別のことに気を取られますよね……。なので、レッスンの途中で別のものを手でいじり始めたり、先生の言うことを全然聞いてなかったりします。目の前に先生がいればそこまででもないですし、先生が来てくれていたときは私に甘えてなんでも聞かないように、2人きりでレッスンしてもらっていたのですが、オンラインレッスンではそれは無理! というわけで、子どもの隣で常に「ほら、ちゃんと聞いて! 」とか「後○分だから頑張って! 」とか言っています。

そんなレッスンなので、あんまり楽しくないときもあるようで、「英語なの~? 」とか言うこともあります。かといって「じゃあそんなに嫌なら辞める? 」と聞くと、「それは嫌」という……。親が怒ったり強制したりすると嫌になるわけで、かといって本人のやる気だけに任せるのはまだ無理。本人は辞めたくはないといってるし……。なのでやっぱり励ましたり、横でサポートしたりと、親の頑張りが必要なのでした。いつか、いつかこの英語のレッスンが息子の役に立ってくれる……と信じてやっています。

そして、ピアノも同じような感じです。ピアノに関しては、レッスンに行くのは大好きなのですが……家で全然練習をしません! 我が家は据え置きのピアノが置ける環境ではないので、キーボードです。練習するときだけ出して、使ってないときはしまっているのですが、キーボードは重くて大きいので幼児1人では出せません。つまり、親が意識してキーボードを出してあげないといけないのです。

そのため、「1人で自然にピアノを弾く」という環境が我が家にはありません。子どもは目の前にないものを意識する力が大人よりもないので、大人から「ピアノの練習しなよ」と促さないといけないのですが、そうなると「親に言われて練習する」という構図になります。

本人が「やりたい」という気持ちのときに自然にピアノに触れられる環境でない、というのは大きいと思うのですが……そんなこともあって、練習をしません。でも、「練習しなくてもレッスンに行って楽しいなら、まあいいのかな? 」と思わなくもないので、こちらも強制しないようにしています。発表会があったときはさすがに本人も「練習しなきゃ」と思ったようで、練習していました。なので、やっぱり本人の気持ち次第なんだろうなあと思います。

英語にしろピアノにしろ、強制しないで本人のやる気を引き出すには……と考えると、「できるようになりたい」という気持ちを引き出さないといけないですよね。たとえば、英語が話せるちょっと年上のモデルケースを見せるとか、ピアノがうまい子を見せるとか。なんて考えはするものの、現実的に考えると結構ハードルは高い……。

結局、楽しく習い事をやらせたり、モデルケースを見せたりするのも親の努力次第なのですが、親もそんなに全力でケアできないのが現実です! ピアノの練習をさせるよりもタブレットで動画を見ている方が、親は自分のタスクができるので、まあ、いいか……となってしまうのです。

とりあえず、我が家は「楽しく続ける」を最低限のラインに設定して、「モノになるかどうか」は横におくようにしています。親も子も、頑張り過ぎると続かないよね、という感じで、ゆるゆる続けるのが我が家のスタイルになっています。

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著者プロフィール:水谷さるころ

女子美術短期大学卒業。イラストレーター・マンガ家・グラフィックデザイナー。
1999年「コミック・キュー」にてマンガ家デビュー。2008年に旅チャンネルの番組『行くぞ! 30日間世界一周』に出演、のちにその道中の顛末が『30日間世界一周! (イースト・プレス)』としてマンガ化(全3巻)される。2006年初婚・2009年離婚・2012年再婚(事実婚)。アラサーの10年を描いた『結婚さえできればいいと思っていたけど』(幻冬舎)を出版。その後2014年に出産し、現在は一児の母。産前産後の夫婦関係を描いた『目指せ! ツーオペ育児 ふたりで親になるわけで』(新潮社)、『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』(幻冬舎)が近著にある。趣味の空手は弐段の腕前。