「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第106回のテーマは「ダラダラデーの創設」です。

これまでのお話はこちら

ママ友と話していたら「週末に家族が予定無く家にいると喧嘩になりやすい」という話を聞きました。そう……うちもそうだったんです!!! なので、毎週末必ず「何かする」と決めていました。

タスクが決まっていると「じゃあどうしようか」と話して一日の予定がいろいろ決まるんですが、ただ家にいるだけだと「お昼ごはんはどうするのか」「夜ごはんはどうするのか」といちいち決めないといけなかったり、子どもの相手をどっちがするのか……とかでいちいち揉めたりしちゃうんですよね。ママ友の話を聞いて、我が家だけじゃないんだ……!と思いました。

我が家は息子を0歳児の生後2カ月から認可外保育園に預けていました。私の暮らしている地域ではフリーランスが認可保育園に子どもを預けるためには、まず「認可外」に入れて「待機実績」がないとダメだったからです。そんなわけで、私は産休2週間くらいで仕事復帰し……生後2カ月の息子を保育園に入れました。

でも、さすがに罪悪感があったんです……。「もっとそばにいてあげたほうがいいじゃないか。もっと時間を共有したほうがいいのでは……」と。そんな罪悪感を長く抱いていたこともあり、「週末は息子を楽しませるぞ!」と気負っていたのもあります。なので、私が率先してお出かけしていたという事情はありました。

しかし……! たまに何の予定もない日があると、なぜか必ず午後くらいにパートナーがイライラしはじめるんですよ……。

私は何の予定もなく、ダラダラ過ごすのは平気です。やりたいことがあれば自分で考えてやるし、なぜ「今日は何もしないで終わるの!?」と突然パートナーがイライラしだすのかわからない……。いや、何かしたいんだったら自分で発案して「こうしよう」と決めればいいのになぜ「何も決まってない!」と怒り出すのか……?

こちらはそう言われると「なんで私が予定を決めてないということで責められるんだ!?」となり、喧嘩に発展します。「私が休日の過ごし方の責任者だったっけ?」と思っていました。

ただ「何も予定ないと喧嘩する」ということが何度かあるうち「何もない日は最悪だ」と思うようになり……「息子のため」に予定を入れてたのに加えて「家にいたくないから」という理由で毎週必ずどこかに行くことにしていました……。別に私が「休日の過ごし方を考える係」ではないはずなのに……。

育児系の情報では「子どもには休息が必要なので、毎週末頑張って出かけなくてもいい」と書かれていたのですが……。親が喧嘩するのも子どもの教育上よくないですよね。必死に予定を決める私にパートナーは「毎週そんなに必死に出かけなくてもいいんじゃない?」とたまに言ってましたが、「だったら『何もやることが決まってない!』と午後に怒り出すのをやめて!」と思っていました。

しかし、息子が自分でやりたいことを決められるようになると「どこにも行かない日がほしい」というようになりました。……そうか~……やっぱり、ずっとどこかに出かけるのは子どもも疲れるんですね。じゃあということで、どこにも行かずに家で過ごす日「ダラダラデー」を作ることにしました。

私は「またパートナーが午後にイライラするのでは」と最初は思っていました。でも、全然イライラしない。……なんで?? と思ったら「予定が決まってないのがイライラするのであって、何もしないことが決まっていればイライラしない」と言われました。彼は別に「予定が決まってない」ことにイライラしていたのであって、私が予定を決めてないことを責めているつもりはなかったらしいのです……。なんじゃそりゃ!!!!!

「予定が決まってなくてイライラする」なら、自分で決めろや~~~~~~!!!! 自分の機嫌くらい、自分で取れ~~~~~~!!! と思いました……。

かくして「ダラダラデー」の創設により、我が家に平和が訪れたのでした。

こういう「思考の癖」が理由の揉めごとというのは、実はどこの家庭にもあるんじゃないかなと思います。私のほうにも「これをやられると冷静になれない」という「怒りのツボ」みたいなのはあります。そういう思考の癖はお互い違います。それが自分とは違うからって「こいつはダメだ!」とか評価しちゃうと解決から遠ざかってしまいます。

私の場合、パートナーが「予定が決まらないとイライラする」のは基本的に修正できないことだと受け入れる。それは彼の「仕様」だと割り切って、どうしたらその仕様を問題ないように運用するか考える方が平和なんじゃないかなと思うようにしています。

私は全然理解できないし、そういう考え方じゃないけども「だからおまえがおかしい」と考えても誰も幸せにならないのです。……ってまあ、正直言えば「自分で解決しろ」とは思わなくはないのですが……。なにせ思考の癖というのは、本人は「それが当たり前」だと思ってるわけで、人から指摘されないと気がつかないことが多いんですよね。

問題が起こるのは違う性質の人間がいるからなわけで、そこは2人で解決する方法を考えたほうが早い。

私の怒るポイント、許せるポイント、気にならないポイントは私だけのもの。それは相手も同じなので、常識とか世間とかはおいといて、いま一緒にいる人間がちゃんと納得できる方法は探していかないと快適に暮らせないんだろうな……と思っています。

新刊『骨髄ドナーやりました!』

(少年画報社刊/税別950円)
初代骨髄バンクアンバサダーの俳優・木下ほうかさんも「『ちょっと人の命を助けて来るから!』。こんなカッコいいことを言い放つお母さん。私はこんな最強マンガを待っていました」と絶賛する書籍が発売!! 日本骨髄バンク完全監修の爆笑必至の骨髄ドナー体験マンガです!
夫婦揃って献血が好きで、骨髄ドナーに登録しているさるころとノダD。2人は事実婚・共働きで息子を育てています。夫のノダDは今までに3回骨髄ドナーにマッチングをしていて、3回目で骨髄提供をしました。そんなある日、骨髄バンクから届いた書類をよく見ると、なんと今度は妻のさるころが骨髄ドナーにマッチングしたお知らせでした……! 非血縁ドナーのマッチング確率は数百~数万分の1とも言われており、骨髄ドナーは登録してもマッチングするとは限りません。そんな中、なんと夫婦で2年連続ドナーを体験。そんな激レアなn=2のリアルガチな体験談をあますことなくお届けします! 詳しくはコチラ

著書『どんどん仲良くなる夫婦は、家事をうまく分担している。』

(幻冬舎/税込1,100円)
全編書き下ろしエッセイマンガ!
バツイチ同士の事実婚夫婦にめでたく子ども誕生! ここから「家事と育児をどうフェアにシェアしていくか」を描いたコミックエッセイです。家事分担の具体的な方法から、揉めごとあるある、男の高下駄問題、育児はどうしても母親に負担がいってしまうのか、夫のキレにどう対処する? などなど、夫婦関係をぶつかりつつもアップデートしてきた様子を赤裸々に描きます。くわしくはコチラ