「家事も育児も家計も全部ワリカン! 」バツイチ同士の事実再婚を選んだマンガ家・水谷さるころが、共働き家庭で家事・育児・仕事を円満にまわすためのさまざまな独自ルールを紹介します。第104回のテーマは「ランドセルを選び始めました」です。

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我が家は来年から小学生なので、ランドセルを買う時期です。毎年どんどんランドセル商戦が早くなっていて、以前は夏休みだったのに最近はゴールデンウイーク辺りくらいにランドセルを見に行くのが主流だとか……。

が! 今年はコロナ禍の影響で、どこもかしこもショールームがやってませんでした。さすがにどこもショールームで試着ができないのでキャンペーンなどを後ろ倒しにしていました。ママ友に聞いても「ランドセル……どうする?」とみんな悩んでいました。6月に入ってやっと事前予約や整理券で「少人数ならOK」みたいな感じでショールームが再開したので、我が家も行ってきました。

昭和の小学生だった私は、もちろんランドセルを選んだ記憶はありません。親が買ってきた赤いランドセルでした。なので、いろんな色からランドセルが選べるというのがどういうことなのか、イマイチよくわからないんですよね。ジェネレーションギャップ!

息子はカタログを見てたときは「深緑」と言っていましたが、ショールームに行ったら「オリジナルデザイン!」「リフレクター付き!」となりました。お店の方いわく、大体みんなそうなるそうです……。

リフレクター付きのデザインは、わかりやすく少年が好きそうなデザインで大体の少年が「これがいい!」と言ってはお母さんに「普通のにしたら……」と説得されるパターンが多いとのことでした。もちろん、リフレクターがあると安全性が高いという理由で選ばれる親御さんもいらっしゃるそうですが、親は無難なものを選びたがるという傾向はあるようです。

そこで我が家なんですが……。我が家の方針としては、できる限り本人が欲しいものを買って上げたいと考えています。お金を出すのは親なので、親の趣味が反映されるのはもちろんあってもいいと思うのですが、親の意見と子どもの意見……どれくらいで折り合うか? というのが難しいところだと思うんですよね。

ネットでランドセルの選び方を見ていたら「入学前に選んだものは、高学年になると子どもっぽいと嫌がる」みたいな話があるある話として載っていました。そういうことはあると思うので、ある程度親が無難なものを選んであげるのはいいとは思います。でも、どうも「そんなの大きくなったら恥ずかしくなるんだからやめなさい!」みたいなのも、どうかなあと思ってしまうのです。

目立つ色を買ったためにいじめにつながるとか、高学年になると低学年のときは羨ましがられた派手なランドセルをバカにされるとかそういったエピソードもありました。でも、それって本当に「高学年になって趣味が変わった」とかだけなんでしょうか……? 低学年のときに「好きなモノを買ってもらえなかった」という悔しさが……高学年になってから「大人っぽさマウンティング」みたいな形で出てきてたりしないのかな……。なとど思ってしまうのです。

ちなみに昭和の小学生だった私の同級生に1人だけピンクのランドセルの子がいました。もちろん目立っていました。しかし、当時は「へ~そんなランドセルもあるんだ~」と思っただけで彼女が6年間の間にそれが原因でいじめられるようなことはなかったと思います。決して「目立つからいじめられる」わけではないんだと思います。

高学年になって、他の子を本人がいじめたりからかったりしなかったとしても「あ~、親のいうことを聞いて、からかわれないランドセルにしておいてよかった」という体験があったとしたら、その時点で「自分らしさよりも同調圧力を優先する」ことの成功体験になりそうで……私としては「本当にそれでいいのかなあ」と思ってしまうのです。

親としては「他人がどう思うか」とかを気にするよりは、6年間ずっと「本人のお気に入りのランドセル」で学校に通ってほしい。それにイマドキのランドセル……高いですしね……。3万円~10万円くらいの幅があって大体5~6万円前後が相場と知って、ちょっと震えました。私は自分の鞄でもそんな値段のものを買わないタイプなので……。大体1年で1万円くらいだと思うと子どもに持たせるにはかなり高価だな~と思います。だったらせめてずっと「お気に入り」でいてほしい……。

正直、ランドセル選びは親からすると「親が子にどういう生き方を望むか」が現れるような気がしてしまい、かなりプレッシャーを感じます。「子どもの選択」を優先するとしても、5~6歳に選択の責任すべてを負わせるのも酷な気がするんですよね。

息子が「どうしてもこれ!」と、例えばピカピカのゴールドのランドセルとか選んだら自分はどうするのか……!?と、ハラハラしているんですけども……今のところわりと無難な色をセレクトしています。最初欲しがったリフレクターも「やっぱり違うやつで」とか、意見もころころ変わります。

親が「自分らしさを大事にしてほしい」と望んだとしても、本人が望まなければ意味がない。かといって「もしもこうなったらどうしよう」と勝手に先回りしてあれこれ子どもをコントロールするのもやっぱり子どもにとっては窮屈だと思うし、「好きなのを買ってもらえなかった」という記憶はすごく残ると思うのです。

だから結局本人が「買ってもらって嬉しい」という気持ちを優先しつつ、バランスのいいところで落ち着くように話し合うしかないのかなと思っています。

子どもと親がお互い納得できるものを話し合って選ぶ…。ランドセル選びは社会への第一歩を踏み出す一つの試練……。くらいに感じています……!

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