FPが家計のさまざまなお悩みに答えていく本連載。今回は子どものためにパート勤務をやめたいと考えている主婦・みどりさん(40歳)のご相談に1級FP技能士の資格を持つ早乙女美幸さんが応じます。
◆相談者さんのプロフィール
相談者
相談者 みどりさん(仮名)
女性/パート主婦/40歳
愛知県/戸建て・持ち家在住
家族構成
夫(会社員/41歳)、子ども(3歳)
◆お悩み
子どもがよく熱を出す子で、今の仕事をやめようか迷っています。私自身も子どもとの時間を増やしたいのですが、私のパート収入が無くなっても家計はやっていけるでしょうか? 仕事を辞めたら使途不明金や食費は大きく減らせると思っています。
◆家計収支
収入
支出
現在の貯蓄額
月間平均収入が37万円、支出が36.5万円、毎月の貯蓄額が0.5万円、現在の貯蓄額が410万円、つみたてNISAでの投資額が270万円となっています。
ボーナスが年間95万円、税金や保険料他の支出に58万円、貯蓄が37万円です。
◆FPからのアドバイス
アドバイス1: 今はお子さん優先でもOK、今後のお仕事プランを立ててみましょう。
3歳のお子さんのお体が弱く、一緒にいてあげたいとのことですね、お気持ちよくわかります。ご夫婦で相談の上で、今はお子さん優先に考えられたらよいかと思います。もちろん月に8万円の減収は大きいので、いずれお仕事に復帰するか、または家庭でできる仕事を模索するなど、今後のお仕事プランはしっかり想定してください。
在宅優先でしたら、今は得意なことを仕事にしやすい時代ですし、収入につなげられる選択肢もたくさんあるので、やりたいことが見つかったら小さく始めてみましょう。お勤めに復帰されるようでしたら、今後は社会保険に加入する日数・時間での働き方の方がよいですね。収入のアップとともに、老後の年金収入もアップさせましょう。家にいる時間を活用して資格取得に挑戦するのもいいですね。
アドバイス2: 支出見直しで5万円の削減を目指しましょう!
みどりさんの収入が以前のレベルになるまでは、がんばって家計の立て直しをしてしのいでいきましょう。支出削減の効果が大きそうなものは、次の二つです。
(1)住宅ローン支払額
みどりさんのお宅の住宅ローンは10年固定タイプで金利1.5%以上と、今の水準に比べて少し高めと言えます。借換によって金利が下がり、支払額が減らせる可能性があるので、まずは他の金融機関や専門家に相談してみましょう。金利タイプはどうなるか、団体信用生命保険の内容はどうなるかなど、トータルで借換えのメリットデメリットを判断してくださいね。
(2)個人年金保険の保険料
ご加入中の個人年金保険ですが、内容を拝見したところ、予定金利も低い時期の加入であまり有利なものではないようです。解約や払い済みをして、保険料の支払いをなくす方がいいかもしれません。検討してみましょう。余裕がうまれて老後の準備ができるようになったら、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入を考えましょう。
そのほか、食費、日用品費、使途不明金も多少減らせそうですね。これらの取組みで月に5~6万円の削減を目指しましょう。
アドバイス3: 貯蓄の取崩しは100万円以内に、つみたてNISA再開後は金額を絞って
支出の削減具合で変わってくると思いますが、退職後しばらくは貯蓄の取崩しが必要です。今後のライフプランを考えると、取崩しは100万円以内に抑えたいですね。
解約するべきか悩んでいらっしゃるつみたてNISAでの投資信託ですが、以上のような対策ができるなら、解約せずにそのまま保有していてもよいと思います。せっかくの20年の非課税メリットなので、そこを生かして投資を続けたいですよね。新たにつみたてするかは、対策の効果を見て決めましょう。
つみたてNISAでの最低積み立て額は金融機関によって違いますが、月に100円や1,000円のところが多いです。少額であれば積み立てを続けてもいいですね。
しばらくはご家族との時間を楽しんで、教育費が増える時期までには収入を増やしていけるようにしていきましょう。自分らしいやりがいのある仕事に出会えるよう、じっくり取り組んでみてくださいね!
相談者さんの感想
すごく心配な気持ちから、新しい仕事が楽しみな気持ちに代わりました!ありがとうございました!日々の節約以外に、大きく支出を減らせる可能性があることが分かったこともうれしいです。主人とも相談してがんばって見直ししてみます!