高校生と中学生の2人のお子さんがいるご家庭。大学受験を控え、教育費は足りるのか不安を抱えるゆみこさんからの相談です。今回は、AFP資格を持つ女性のお金の専門家・矢野舞美さんがアドバイスします。
◆相談者さんのプロフィール
相談者
ゆみこさん(仮名/女性/45歳/パート)
家族構成
夫/会社員/45歳
子ども2人(高校3年生・17歳、中学1年生・13歳)
◆お悩み
子どもが高学年になり時間にも余裕ができたのでパートで働くようになりました。以前より世帯年収は増えたのですが、貯金ができません。大学受験のために夏期講習へ行かせたいと考えています。大学の費用を準備できたとしても老後の生活も大丈夫なのかと、とても不安になってしまいます。教育資金をどう準備していけば良いでしょうか。
◆ゆみこさんの家計収支
収入
手取り(夫): 34万円
手取り(ゆみこさん): 10万円
児童手当: 1万円
合計: 45万円
支出
支出合計:51万円
現在の貯蓄額
普通預金: 300万円
定期預金: 80万円
合計: 380万円
年間収入
ボーナスは手取りで135万円
ボーナスの使い道
・住居費(固定資産税他):20万円
・レジャーや旅行など:30万円
・その他(冠婚葬祭など):10万円
・年間支出合計:60万円
加入保険の内訳
・夫婦の生命保険 8,000円
・夫婦の医療保険 15,000円
・学資保険(18歳満期/150万円)×2人分 17,000円
お子さんの進路
進学は自宅から通える国立大学を希望(長子)
◆FPからのアドバイス
高校3年生のお子さんは大学受験を控えており、今年は支出が増える時期ですね。進学の費用を支払うと貯蓄が減り不安になることもあります。先の見通しを立て予測しておくと安心できます。まずは大学準備費用を確保して、2人目のお子さんの教育資金や将来を考慮した貯蓄計画を立てましょう。
アドバイス1:最優先で大学準備金の確保を
4年制の国立大学へ進学した場合にかかる教育費は、4年間で約244万円です。
長子のお子さんは、学資保険から150万円と貯蓄額300万円から取り崩して教育費を賄えます。
2人目のお子さんの教育費は、私立大学へ進学した場合を想定しておきましょう。
例えば、高校~大学まで私立に進学した場合、中学~大学までにかかる教育費は、約837万円 。学資保険150万円と残った貯蓄額280万円を合わせても400万円ほど足りません。
これから6年間で400万円、最低でも年間67万円を貯める必要があります。
アドバイス2:固定費やレジャー費など支出の見直しを
最低ラインは年間67万円ですから、目標額は年間100万円を目指しましょう。
まずは固定費を見直して支出を減らしましょう。光熱費や通信費はプランやキャリア変更で削減できます。
例えば、スマホの通信料を月に3,000円減らすことができると、年間で36,000円減となります。家族のデータ通信量や通話の使い方を把握して、キャリアの新プランや格安モバイルに乗り換えるのも有効です。
今年はお子さんの受験を控えているので、レジャー費やお小遣いを減らすなど、家族で共通の目標を立てて対策を協力し合うのも良いですね。家族の団結力も高まり、さらに家族仲も良くなりますね。
アドバイス3:スキマ時間に副業で収入アップ
固定費の削減だけでなく、収入を増やすことも視野に入れましょう。パートで働きながらスキマ時間に副業している方も増えてきています。月5万円の副収入で、年間60万円増えます。レジャー・旅行費30万円を削減すると、年間で90万円を貯めることができます。これなら、目標額100万円を達成できそうですね。
節約だけでなく、収入を増やすことで生活や心にもゆとりが生まれます。
ただし、単に家族のために働く・稼ぐというよりも自分を大切にして欲しいと私は思っています。老後の生活も見据えて長期的に収入を増やすのであれば、継続することが大事だからです。人生100年時代、キャリアや経験を活かして収入を得る働き方で、「家族のため」だけでなく「自分の人生を大切に」やりがいのある働き方を探してくださいね。
◆相談者からの感想
正直、教育費が足りるかどうか、とても不安で考えることも避けていました。でも、大学受験を控えて「本当に大丈夫なのかな?」という気持ちでいっぱいでした。今回、思い切って相談してみてよかったと思っています。
今のままだと教育費も足りない状況ですが、家計改善の対策までアドバイスいただきありがとうございました。家族で協力して、早く教育資金を貯めて老後にも備えたいと思いました。早速、固定費の見直しは始めていきます!