FPが家計のさまざまなお悩みに答えていく本連載。今回は、ファイナンシャルプランナーの池尻美由紀さんが、49歳独身で一人暮らしをしているめぐみさん(49歳)の家計の悩みにアドバイスします。
◆相談者さんのプロフィール
相談者
めぐみさん(仮名/会社員/49歳)
◆お悩み
49歳独身です。アラフィフになり、この先の生活がとても心配です。よく、「老後資金2,000万円」と言われていますが、独身の私にも当てはまりますか?もしも働けなくなった時のために、不動産投資なども考えています。
◆相談者さんの家計収支
月収は30万円、ボーナスは年に100万円。月の支出は27万円、貯蓄が3万円。現在の貯蓄額は900万円となっています。
◆ファイナンシャルプランナーからのアドバイス
(1)おひとりさまの老後資金はひとそれぞれ
今、女性の2人に1人が90歳 まで生きる時代になっています。配偶者のいる女性にも一人で暮らす時期がくるかもしれません。65歳以上の単身世帯の65%が女性のおひとりさまです。
「老後資金2,000万円」とよく言われていますね。実はひとそれぞれなのです。ライフスタイルによって必要となる資金は違ってきます。めぐみさんの場合、現在のライフプランで試算すると65歳からの年金は年間180万円になります。仕事を辞めてしまった場合、毎年240万円の支出があり、その差額60万円は赤字となります。貯蓄から補填しなければなりません。
65歳から95歳の30年で計算すると1,800万円必要となりますね。現在のライフプランニング表では2,300万円貯蓄できるプランとなっています。さらに豊かな老後生活とお考えでしたらそのプランに合わせてさらに貯蓄されることをお勧めします。
(2)退職後は支出の見直しを
60歳の退職時に退職金が1,000万円入ってくる見込みです。この時点では、希望している老後資金はクリアされていますが、その後嘱託として再雇用された場合、給与が80%になる予定です。今のままの支出では、あっという間に赤字になってしまいます。
退職後はミニマムな生活を心がけてください。家賃などの固定費を見直すのもよいかと思います。医療費なども増えてくると思われますので、食費、その他の支出も見直すことをお勧めします。また65歳の年金受給が開始されても、お元気でしたら好きなお仕事をされて豊かな老後を楽しんでください。
(3)自分に合った不労所得を考えましょう
不労所得という言葉を耳にしたことはありますか? 不動産投資もその一つですね。他にも株式投資などがあります。労働して得る対価ではなく、働かなくても入ってくる収入のことです。ご自身に合った所得の作り方が重要になってきます。既に投資はされておられますね。
給与の上昇が見込めない状況ですので、不動産投資は老後資金を貯蓄するのに向いていると思います。ただ、ハイリスク・ハイリターンの物件からローリスク・ローリターンの物件までさまざまです。どれくらいの資金を融通するのか、どれくらいのリターンを求めるのか、じっくり見極めてご自身に合ったものを選ばれるとよいかと思います。
◆ご相談後の感想
ひとりでモヤモヤしながら考えていましたが、スッキリしました。もっと早く相談すればよかったです。近い将来のことですので、前向きに計画を立てて実践してみようと思います。ありがとうございました。