北海道は美食の宝庫。国内随一の面積を誇るからこそ、その地域ならではの特産品が数多く生み出されています。

ここではお取り寄せできるおすすめの特産品をご紹介。地域の特性と生産者のこだわりが詰まった逸品を、ぜひ味わってみてください。

高校生の夢を叶えた製麺会社社長の思いが形に!

「鮭とばの製造過程で剥がした皮が捨てられるのってもったいないよね」との高校生の考えから生まれた、さくさくした食感がクセになる「留萌のとばせん」。製造を手掛けるのは、留萌産小麦ルルロッソの生パスタで有名な「フタバ製麺」です。

水産加工会社ではなく、なぜ製麺会社が? という疑問が湧き上がることでしょう。このコラボレーションの実現には、同社代表取締役の仲田隆彦さんが抱く「留萌の未来を支えるのは子どもたち」という思いが強く生きているのです。

完成までの紆余曲折…想像以上の大変さでした

  • フタバ製麺代表取締役の仲田隆彦さん、やさしく地域の子どもたちの活動を支えています

始まりは今から12年前。授業の一環として「地域活性化」をテーマにした商品開発に取り組む北海道留萌千望高等学校の生徒たちが先述した考えの元、いくつかの水産加工会社に商品化の話を持ち込みましたが、引き受けてくれる業者がなかなか見つからずに難航。

困り果てた顧問の先生が「きっと何とかしてくれる!」と訪れたのがフタバ製麺だったのです。

それまでも遠別町産のもち米をパスタに練り込んだ「米パスタ」の開発などで生徒たちの活動を支援していた仲田さんは、「ここで子どもたちの夢を潰すわけにはいかない」と依頼を快諾。

幸いにも製造のための機器がそろっていたこともあり、半年ほどの試作期間を経て「留萌のとばせん」が形になり、販売へと辿り着きました。

「完成したときから手応えはあったけど、ここまで人気になるとは思っていなかった」と仲田さん。その理由は「高校生たちの熱意があったからこそ」と続けます。

「イベントで一生懸命販売するだけではなく、店やイベントで扱ってもらうための商談も生徒たち自らが各地に赴いて行っているんです。一時は海外で取り扱ってもらうこともありました。彼らの思いや活動力がなければこの商品は成功していなかったと思います。本当にすごいことだし、本当に誇らしい」と目を細めます。

製造の中心を担うのは、御年93歳の会長!

月に3回程度行われる製造で使われる鮭皮は、1回あたり約36kg。しっかり干して水分を飛ばし、生臭さをなくすよう丁寧に下処理をし、2日かけて二度揚げ。

実はこの作業のすべてを行っているのが、仲田さんのお父さまである会長で、その年なんと93歳! 長年培ってきた熟練の技を駆使して、絶妙な旨さを生み出しています。

通常の鮭皮チップスに比べて小さくて食べやすい上、絶妙な塩加減でビールにピッタリ。ご飯にのせてお茶漬けにするなど、さまざまなアレンジが楽しめるのも魅力です。とば好き、酒好き、鮭皮好きの人たちは、ぜひ一度食べてみてほしい。きっと一瞬で食べきってしまうはずでしょう。

「留萌のとばせん」は、ECサイト「ゼロワンショップ」で購入できます。