保険のIT化が進む!? 新しい時代の保険

「IoT」家電やAIスピーカー、ロボット…… etcと、近年様々な技術革新が進む中、実は保険にもその波が到来しつつあるのをご存知ですか? 例えば、ある保険会社ではAIスピーカーを使って海外旅行保険の見積もりができるサービスを始めています。スピーカーに話しかけると、必要な保険料を音声で素早く回答してくれるそうです。そんな新しい時代の保険に、どんなものがあるのか紹介をしていきます。

保険業界を変えるインシュアテックとは

「インシュアテック」とは、保険(Insurance)と技術(Technology)のふたつの言葉をかけ合わせた新造語です。IT、ビッグデータ、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの技術を新たに活用することで、保険サービスの効率や収益性を高め、革新的な保険サービスを生み出すと言われており、今、すでにインシュアテックの波を受けて、様々な新商品や新サービスの展開が始まっています。

保険×IoT(テレマティクス保険)

「IoT(Internet of Things)」とはモノのインターネットという意味で、身近なさまざまな機器にもセンサーや通信デバイスが搭載され、インターネットに接続してそれらの機器の状態、動き、位置などを感知・制御して、利便性を向上させるというものです

今、こうした測定を行う車載器を車に搭載することで、安全運転レベルの測定や統計が出るほか、データ結果により安全運転の人の保険料を割り引くといったしくみの自動車保険商品が出ていて「テレマティクス保険」と呼ばれています。テレマティクス保険の普及により、安全運転の増加・交通事故低減にもつながることが期待されています。

保険×AIスピーカー

最初に紹介しました、AIスピーカーを通じて保険の見積もりを出せるというサービスが始まっています。例えば「ハワイで7日間の旅行保険の見積もりを調べて」と話しかけると、数十秒で保険料を算出してくれます。この他、現地の旅行情報なども教えてくれまるとのことです。

保険×LINE

LINEを使って様々な情報を届けたり、保険の見積もりをしてくれたりするサービスは既に各社で始まっています。チャットの会話形式などで素早く必要な保険を提案したり、相談に乗ってくれたりする、というものです。人工知能による「チャットボット」などを活用して瞬時に質問に回答したり、必要な保険を提案したり、また見積額を出したりするほか、詳しい情報については「人」が対応しており、よりきめ細かいサービスを提供してくれます。

この他、損害保険会社の事故受付を、LINEで受け付けるサービスも始まっています。自動車保険・火災保険・海外旅行保険・傷害保険などの損害において、その場でLINEから写真を送ったり、必要なアドバイスをしてれたりするなど、迅速に事故受付対応をしてくれます。

保険×デジタルヘルス

スマートフォンのアプリケーションや、ウエラブル端末を活用して、歩数や心拍数などを自動的に測定することで健康管理に役立てる人が増えていますが、これらのデータと保険を融合して、例えば歩く歩数によって保険料を割り引く、と言うタイプの商品も発売されています。ウオーキングやランニングを日課にしているなど、康志向の強い人にとって興味ある商品と言えそうです。

保険×アプリ

アプリケーションを使って保険を提供するタイプの商品もあります。例えば、スマホの修理費のための保険に、アプリケーションから加入できる保険もあります。保険を使わなければ、AIが安全スコアを計算して、更新時の保険料が安くなります。

この他、家電製品の保証書を管理できるスマートフォンアプリが保険会社と提携して、家電商品の一日保険を提供しています。たとえば、旅行期間だけ一眼レフカメラに保険をかけるといったことが可能です。

保険×ビッグデータ

AIによるビッグデータ分析技術が今後も発展することで、リスク算出手法が多様化されていくことになり、その結果、一人ひとりの顧客に適した商品開発が可能となります。

例えば保険会社が「健康増進サービス」などを提供し、これを利用する人が増えることでビッグデータが構築され、今後の新商品開発などに役立てられます。

また保険の引き受けなどの可否を判定する業務や、保険金の支払い管理などによる保険金の支払会い漏れの防止、詐欺の防止にも役立つことになり、コスト削減になります。

この他にも、顧客からの問い合わせ対応にAIを導入したり、保険金支払い業務にAIを導入して迅速化するなど、テクノロジーの進化はそのまま保険全体の進化へと繋がっており、これによって既存の業務内容が全面的に改革となったり、これまでにない新たな商品なども生み出されることが、期待されています。