まだもう少し先、とはいえ、いよいよ建設計画が進行してきたリニア中央新幹線。先日は、名古屋に「リニア・鉄道館」がオープンし、リニアの世界がより具体的に感じられるようになってきました。でも、やっぱり実際に走っているリニアを間近で見たい。そこで、山梨県の実験線を見学に行ったのですが……。
クルマじゃなくても、アクセス可能
山梨県に実験線、「山梨県立リニア見学センター」があるのは知っていましたが、漠然と「遠い」「クルマがないと行けない」と思い込んでいました。しかし、電車でも行くことは可能で、新宿からでも2時間ほどで最寄り駅に到着することが判明。駅から歩いて30分ほどとのことなので、ウォーキングをする気分で現地へ。
JR中央本線大月駅で富士急行に乗り換え、田野倉駅で下車。まわりはすべて山ばかり。天気が良ければ富士山が見えるはずでしたが、あいにくの曇り空。しばらく歩くと田んぼが広がり、のんびりとした景色が広がります。そして、その先に実験線が見えてきました。
なお、田野倉駅周辺にはコンビニくらいしかないので、昼時なら大月で食事をしておくことをおすすめします。
走行スケジュールは1週間分ずつ発表
リニアの走行試験スケジュールは、JR東海のサイト(見学センターのサイト内でアクセス可能)に毎週金曜日、翌週の予定が発表されます。取材当日の朝、午後3時半まで走行試験があることを電話で確認して、1時過ぎに到着、したのですが。
「走行試験は予定を変更して1時に終了」の張り紙が……。あくまでも、実施されているのは走行試験なので、予定が変更されることもたまにはあるのだとか。この点は、承知しておく必要があります。こればかりはJR東海の判断なので、見学センターの方も事前にはわからないとのことです。
ガックリ……、と肩を落としていてもしかたないので、館内の見学をすることに。3階は展望室になっていて、目の前にリニアの実験線がのびています。「ここを走るリニアが見れたはずなのに」と思いつつも、展示を見学。
リニアの研究が開始されたのは1962年のこと。そんなに昔から研究が始まっていたのかと改めて実感しました。確かに、子どもの頃からリニアモーターカーって『学研の科学』とかに載っていたはず(『学研の科学』そのものも昨年休刊になってしまいましたが)。
山梨県のリニア実験線で走行試験が開始されたのは1997年。「山梨県立リニア見学センター」も同時にオープンしました。2003年には、鉄道の世界最高速度である581キロを記録しています。
そもそも、リニアモーターって?
子どもの頃から耳にしてきたせいか、なんとなくリニアについては知っている気がしていました。要は磁石の力で走るんでしょ、みたいなレベルでですが。でも、リニアモーターとは何ですか? と聞かれると、うまく答えられません。
「リニアモーターとは、回転式のモーターを直線状に引きのばしたものです」という解説を読んで納得、いや、「そうだったの?」とびっくり。まったく理解していなかったことに気づきました。
そのほかのメカニズムについても、ものすごくぼんやりした知識、ではなく勝手な思い込みを抱いていたようです。そりゃあ、小学生や中学生のときにかじったことばかりなのだから当然かもしれません。この際、ちゃんとした原理を知るには、この見学センターがぴったりでしょう。コンパクトにまとめられたパネルやビデオで学ぶことができます。
ここならではのお土産も
見学センターでは、さまざまなお土産も売られています。「リニアロマンケーキ」「リニアモーターカー巨峰ケーキ」などが人気どころ。山梨県のB級グルメとして話題になった鳥もつ煮に関連した商品も充実しています。
また、「超電導リニアボール」というものや、科学っぽいものもいろいろ。Tシャツやネクタイ、ネクタイピンなども用意されています。
今後は、リニアの話題も増えていくはず。ようやく現実のものとなり始めたリニアの世界を、ひと足先にのぞいてみてはいかがでしょう。「山梨県立リニア見学センター」を訪ねれば、最先端の技術だけではなく、のどかな風景とおいしい空気も味わえます。天気に恵まれれば、富士山をバックに走るリニアも見られますよ。