日常生活のさまざまなシーンでマナーは必要とされます。もちろんドライブ中も例外ではありません。高速道路を走行する際、心と体を休める場所であるSA・PAでのマナーは守られているのでしょうか。
「疲れているから」「少しの間だから」と自分に言い訳をしていませんか?
NEXCO東日本は20代~60代の男女1,000名を対象に「マナー違反だと思うこと」に関するアンケートを行いました(平成22年8月実施)。その結果から、駐車場の利用マナーについて取り上げます。
駐車する時も思いやりを忘れずに
SA・PAには「身障者用駐車スペース」を設置しています。その総数は約450マス。大型車用のマスが設置されているエリアもあります。
このスペースは、車いすを使用される方など、身体に不自由があって身障者用スペースを必要とする方が使うためのものです。
そのため、身障者用駐車スペースは、主に次の点を考慮して設置しています。
駐車場を横断することなく安全に利用してもらうため、トイレにできるだけ近い場所に設置する
屋根を設置する
車いすで乗り降りできるよう、マスの大きさを通常のマスより縦横ともに1m長くする
こうした配慮がなされた、休憩施設に近い便利な場所にあるからこそ、本来の利用対象ではない健常者が運転する車、あるいは身障者が同乗していない車が駐車するという事態が発生しています。
大は小を兼ねるが、小は大を兼ねない
同様のことが大型車駐車用スペースでも起きています。
大型車用駐車スペースは、小型スペースには駐車することができない大型バスやトラックなどの利用を想定して設置しているマスです。最近では、「大型車用駐車スペースに小型車が駐車しているせいで満車になり休憩が取れない」という苦情が目立つようになっています。
大型トラックや観光バスは、大型車用駐車スペースにしか駐車できません。小型車が安易に駐車してしまうと、多大な迷惑をかけることになります。
NEXCO東日本では、混雑する時期には交通整理員を配置して場内の整理や誘導を行うなどの対策をしています。
「マナー違反だと思うこと」に関するアンケートの具体的な数字は以下の通りです。
身障者用駐車スペースに健常者が駐車すること⇒37.5%
大型車用の枠に普通車が駐車すること⇒17.9%
上記にみたように、どちらも明らかにマナー違反ですが、意外に低い数字と言わざるを得ません。
身障者用スペースへの不適切な駐車もそうですが、大型車用スペースに至っては、80%以上の方が問題視していないというのが現状です。
規則に定められた「ルール」ではなく、他人を気遣う心から始まった「マナー」を守る意識こそが、今もっとも必要とされているのかもしれません。