高速道路を走行していると、遭遇する車線規制。コーンやバリケードで囲われた車線を横目に、渋滞にハマって我慢せざるを得なかったという経験は多くの方がしていることでしょう。
そもそも車線規制は、道路工事や事故車の片付けといった作業を行う際に安全を確保するために行っています。高速道路上での工事や作業は、時速100km近くの車が走る中で行うことから、事故防止などの安全対策をしっかりと行わなければなりません。
それは充分理解しているのですが、なんの作業をしている様子がない道路を見て、車線規制の必要性に疑問を持ってしまった方も、やはり少なくないはずです。
作業していないのに車線規制だけが…
高速道路で見かける車線規制の中には、実際に工事を行っている様子もなく、作業員もいないということがあります。
これは、工事を始める前に車線規制を行い、安全な通行を確保してから、作業員や機械などを入れて工事を始めるためです。
作業が終了した時も、規制内から作業員や機械を出して安全を確認した後に、規制材や標識等を撤去するため、規制が残っているのに、何も作業をしていないように見えることがあります。
高速道路の工事は、できるだけ車線規制の回数を減らすため、別々の工事や作業をまとめて行う工夫をしています。そのため車線規制が長くなることがあります。
トンネル内の車線規制
NEXCO東日本管内、常磐道の日立南太田ICから北側の区間や、上信越道の碓井軽井沢ICから佐久ICまでの区間など、トンネルが連続している区間では、事故防止などの安全対策として、車線規制をトンネルの外側から、トンネルを出た先まで連続して行う場合があります。
車線規制している区間では、車が通れる車線が物理的に少なくなっているため、一列に並んで走ることになりますが、車線規制が終了すると急に車線変更して追い越しを始める車が出てくるかもしれません。それがトンネルの中であったり、その先が見えないカーブであれば、重大な事故に繋がりかねません。そのため、トンネルが連続する区間などでは、実際に工事する区間よりずっと長く車線規制をすることがあります。
積極的な情報提供を
道路は傷むものです。しかも高速道路はハイスピードで多くの車両が通行するのですから、工事は必要ですし、多少の不便も我慢しなければならないでしょう。車線規制の延長も安全確保の対策として妥当なものです。
だからこそ、利用者が車線規制を納得できるよう、積極的な情報の開示やPRが求められているのかもしれません。